電源不要なトンネル照明灯具の取付異常検知デバイスを開発しました。
~『フリークエンター』により施設点検のシステム化へ前進~
株式会社建設技術研究所(代表取締役社長:中村哲己)は、京都大学のインフラ先端技術コンソーシアムにおいて、株式会社構研エンジニアリング、株式会社鷺宮製作所、京都大学、北海道大学と共同で、株式会社鷺宮製作所が開発したエナジーハーベスタを用いることで電源を不要としたトンネル照明灯具の取付異常を検知するデバイス「フリークエンター」を開発し、国土交通省の「点検支援技術性能カタログ」に登録されました(TN030009-V0022)。これにより、トンネル照明灯具の取付部の異常判定支援が可能となり、施設点検の効率化が期待できます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202212211489-O1-JAB2MyU3】
1.概要
株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役:中村哲己)は、京都大学のインフラ先端技術コンソーシアム(代表者:京都大学大学院工学研究科 教授 八木知己)において、株式会社構研エンジニアリング(本社:札幌市東区、代表取締役社長:池田憲二)、株式会社鷺宮製作所(本社:東京都新宿区、代表取締役:西見成之)、京都大学大学院工学研究科インフラ先端技術産学共同講座 塩谷智基 特定教授、北海道大学大学院工学研究院 橋本勝文 准教授と共同で、株式会社鷺宮製作所が開発したエナジーハーベスタを用いた電源不要のトンネル照明灯具の附属物検知デバイス「フリークエンター」を開発し、国土交通省の点検支援技術性能カタログに登録されました(TN030009-V0022)。これにより、トンネル照明灯具の取付部の異常判定支援が可能となり、施設点検の効率化が期待できます。
2.研究の背景
トンネル照明灯具などの附属施設における取付部の異常は年々増加しています。取付部の異常は、附属施設全体の固有振動数の変化として現れるため、その固有振動数の変化を振動計により検知する技術は、数年前から開発が進められていますが、予想以上に社会実装が進んでいません。この原因として、①異常検知システムのコストが高い、②アドオンする場合の電源確保、③異常を判断するための閾値設定の難しさなどが考えられます。このため、安価で電源が不要であり、電算機能がなくても固有振動数の変化が検知できる点検支援技術の開発が望まれていました。
3.電源が不要なエナジーハーベスタの活用
今回発表するのは、振動で発電する「エナジーハーベスタ」を活用したトンネル照明灯具の異常検知デバイス「フリークエンター」です。「フリークエンター」は、異常(もしくは健全)な状態で発生する固有振動値で発電することができ、異常な固有振動値を解析する電算機構等が不要となるため、コストを大幅に縮減することができます。また、同時にアドオンする場合の課題であった電源確保も解決しています。トンネルの照明灯具は、4本のボルトでトンネル覆工壁面に固定されていますが、これまでの研究成果によれば、ボルトの緩みや取付金具の腐食等が進むとともにトンネル照明灯具の固有振動数が低下することが確認されています。この固有振動数の変化を利用し、トンネル照明灯具の取付部異常の有無をLEDランプの点灯で確認することが可能となります。
4.今回の技術のメリット
「フリークエンター」は、プラスティックハンマーなどによりトンネル照明灯具函体を打撃することで振動を与え、取付部異常の有無をLEDランプの点灯で目視確認することができます。人による揺すり点検では確認できないトンネル照明器具の取付状態の変化が把握でき、落下につながる異常を未然に検知することが可能になります。また、異常時に特徴となる固有周波数は、複数のチェックポイントを設け、ランク分けしたLEDランプで点灯(点滅)することなどにより、従来の施設点検の診断結果(「〇」or「×」)に対して、定量的なデータ記録が可能となり、経年変化や劣化の診断支援に活用できます。以上より、「フリークエンター」を用いることで、施設点検の精度向上、異常判定支援による効率化が期待できます。
5.今後の展望
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