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ギリアド、唯一の年2回投与のHIV治療選択肢となる lenacapavirについて、世界初の承認取得を発表

2022.09.01 11:00

治療選択肢が非常に限られている多剤耐性HIV陽性者の重要なアンメット・メディカル・ニーズに応える

2022年9月1日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド、唯一の年2回投与のHIV治療選択肢となる lenacapavirについて、世界初の承認取得を発表
― 欧州委員会によるlenacapavirの販売承認を得て、治療選択肢が非常に限られている多剤耐性HIV陽性者の重要なアンメット・メディカル・ニーズに応える―

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は8月22日、欧州委員会(EC)が、抗レトロウイルス療法で効果が得られない多剤耐性を有する成人HIV陽性者のHIV感染治療薬として、他の抗レトロウイルス薬との併用療法におけるlenacapavir注射剤および錠剤の製造販売を承認したことを発表しました。lenacapavirは、複数の過程における作用機序を有するファースト・イン・クラスのカプシド阻害剤で、現在ある他の薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。本剤は、既存治療でウイルスに対する効果が得られなくなったHIV陽性者にとって、6カ月毎に投与する新たな治療選択肢となります。

パリ・シテ大学(Université Paris Cité)感染症学部教授であり、サン・ルイ病院/ラリボワジエール病院(Saint-Louis and Lariboisière Hospitals)感染症部門長であるジャンミッシェル・モリーナMD(Jean-Michel Molina, MD)は次のように述べています。「lenacapavirは、複雑な治療歴のある患者さんの重要なアンメットニーズを満たすとともに、医師が長年待ち望んでいた、エイズへの進行リスクが高い患者さんに対する年2回投与の選択肢です。CAPELLA試験においてlenacapavirは、他の抗レトロウイルス薬との併用により、多剤耐性を有するHIV陽性者において、持続的なウイルス抑制率と臨床的意義のあるCD4陽性T細胞の回復を示しました。lenacapavirは、革新的な長時間作用型のHIV治療選択肢として、臨床環境を一変する可能性を秘めています」

lenacapavirの医薬品販売承認申請(MAA)は、第II/III相 CAPELLA試験から得られたデータに基づいています。本試験では、複数の治療歴、多剤耐性を有するHIV陽性者を対象に、最適化されたバックグラウンドレジメンとの組み合わせによりlenacapavirを評価しました。高いアンメット・メディカル・ニーズを有する患者集団において、最適化したバックグラウンドレジメンとの併用で、lenacapavirを投与された患者さんの83%(n = 30/36例)が52週時において検出限界未満のウイルス量(50copie/mL未満)を達成しました。また、CAPELLA試験に登録された患者さんにおいて、CD4細胞数の平均83個/µLの増加が達成されました。

ギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)ダニエル・オデイ(Daniel O’Day)は次のように述べています。「30年間にわたるHIV治療と予防の研究により、ギリアドの研究者は、この度、長時間作用型の革新的で新しい選択肢を提供することになりました。lenacapavirは柔軟に投与方法を選択できるユニークで有効性の高い薬剤であり、今回の承認を受けて、多剤耐性に苦しむ人々にとって唯一の年2回投与の治療薬となります。私たちの目標は、将来的に複数の長時間作用型の治療選択肢を提供することであり、それがHIV感染の終息に向けた道のりに根本的な変化をもたらすと信じています」

抗レトロウイルス(ARV)療法は、著しい進歩を遂げているにもかかわらず、HIV陽性者には依然として非常に多くの重大かつ差し迫ったアンメットニーズが存在します。特に複数の治療歴を有し、治療選択肢が限られている、複雑なレジメンへの薬剤耐性またはアドヒアランスの課題によりウイルス抑制を維持できないHIV陽性者に当てはまります。この複雑性により、準最適アドヒアランスと治療失敗の可能性はさらに助長され、新たな作用機序を有し、ウイルスの耐性変異株に対して活性を示す治療選択肢の必要性が強調されています。

EUにおいて、lenacapavirは他の抗レトロウイルス薬との併用により、抗レトロウイルスで効果が得られない多剤耐性を有するHIV感染症の成人に対する治療薬として承認されています。lenacapavir錠は、長時間作用型lenacapavir注射剤を投与する前の経口負荷投与法として承認されています。本販売承認は、EUメンバーである27の国々とノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインで適用されます。

EUでの製造販売承認は、主要な規制当局によるlenacapavirの審査における最新のマイルストーンです。7月には、米国食品医薬品局(FDA)がlenacapavirの新薬承認申請(NDA)の再審査を受理し、新たな処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)により、審査終了目標日を2022年12月27日に設定しました。他の規制当局による承認申請や決定は、2022年に継続される見通しです。 

用量や投与方法、特別な警告、薬物相互作用、副作用など、lenacapavirに関する重要な安全性情報については、欧州医薬品庁(EMA)のウェブサイト(www.ema.europa.eu)に掲載されている製品概要(SmPC)をご覧下さい。

HIVまたはエイズを治癒する方法は、現在のところ存在しません。

lenacapavirについて
lenacapavirは、ファースト・イン・クラスの長時間作用型HIVカプシド阻害剤で、他の抗レトロウイルス薬との併用によって、多くの治療歴を有する多剤耐性HIV感染者に対するHIV治療薬として、EUで承認されています。lenacapavirにみられる複数の過程における作用機序は、現在承認されている他の抗ウイルス薬のクラスとは明確に異なり、ウイルスに対する治療効果が得られなくなった多剤耐性HIV感染者に向けた長時間作用型の治療選択肢の開発に新たな道筋を作るよう開発されています。ほとんどの抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用するのに対し、lenacapavirは、HIVのライフサイクルにおける複数の段階を阻害するよう開発されており、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。lenacapavirは年2回投与による、唯一のHIV治療選択肢となります。

CAPELLA試験(NCT04150068)について
CAPELLA試験は、複数の治療歴があり、多剤耐性を有するHIV陽性者を対象に、lenacapavirを6カ月毎に皮下投与した場合の抗ウイルス活性を評価する第II/III相、二重盲検、プラセボ対照、国際多施設共同試験です。CAPELLA試験は、HIV-1を有する男女を対象に、北米、ヨーロッパ、アジアの研究施設で実施されています。

CAPELLA試験では、複数クラスのHIV-1治療薬に耐性を示し、既存治療でウイルス量が検出可能な被験者36名が失敗した現行レジメンに加え、2対1の割合でlenacapavirまたはプラセボに無作為に割り付けられ、14日間の経口投与を受けました(機能的単剤療法)。さらに、別の治療コホートに36名の被験者を追加しました。両コホートとも、最適化されたバックグラウンドレジメンと組み合わせた6カ月毎にlenacapavir皮下投与の安全性および有効性を評価する現在進行中の維持療法期に含まれています。主要評価項目は、現行の失敗したレジメンに加え、14日間のlenacapavirまたはプラセボを無作為に割り付けられた被験者の機能的単剤療法期終了時におけるHIV-1 RNA量がベースラインからの減少量≥0.5 log10 copie/mlを達成した割合としました。

被験者は、lenacapavirまたはプラセボに無作為に割り付けられ、失敗したレジメンを継続しながら14日間の機能的単剤療法を受けた後、非盲検下でlenacapavirおよび最適化されたバックグラウンドレジメンを開始しました。一方で、別の投与コホートに登録された被験者は、1日目から非盲検下でlenacapavirおよび最適化されたバックグラウンドレジメンを受けました。現在継続中の本試験の維持療法期では、最適化したバックグラウンドレジメンとの併用で6カ月毎にlenacapavirを皮下投与したときの安全性および有効性に関する追加の項目を評価しています。

2022年5月11日号のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン[多剤耐性HIV感染患者におけるレナカパビルによるカプシド阻害(Capsid Inhibition with Lenacapavir in Multidrug-Resistant HIV-1 Infection)]に、CAPELLA試験の主要評価項目の結果が掲載されています。 

詳細については、 https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04150068 をご参照ください。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。

ギリアドは35年にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、治癒研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV治療における最初のシングルレジメンや、HIV感染のリスクを減らすための初めての曝露前予防(PrEP)となる抗レトロウイルス薬、さらには年2回投与の初めての長時間作用型注射剤となるHIV治療薬など、12種類のHIV治療薬を開発してきました。このような医学研究の進歩によって、HIVは何百万人もの人々にとって予防可能な慢性疾患となりました。

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに対応するソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップと連携を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中の全ての人々のHIV感染の根絶を目指します。

ギリアドは、「AIDSに関わる資金提供基金」(Funders Concerned About AIDS, FCAA)が発表した報告書において、HIV関連プログラムの慈善資金提供団体として第1位に認定されました。

ギリアドは、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を展開しています。

ギリアドの将来予測に関する記述
本プレスリリースは、1995年の 「米国証券訴訟改革法」に記載されている「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスク、不確実性などの要素を含む場合があります。これには、ギリアドが現在見込まれているスケジュールで臨床試験を開始、進行、完了する能力、あるいはそれらが全くできないリスク、lenacapavirに関するものを含め、現在進行中および追加の臨床試験で好ましくない結果が生じる可能性、lenacapavirに対してFDAから遅滞なくNDA承認が得られない、または全く得られないリスクを含め、規制当局への承認申請および関連する申請や承認のタイムラインに関連する不確実性、たとえ規制当局から承認を得たとしてもその使用に関して重大な制約が課されるリスク、医師がlenacapavirの処方にベネフィットがないと判断するリスク、および上述のいずれかの背景となる前提などがあります。これらのリスクとその他のリスク等については、米国証券取引委員会に提出済の2022年6月30日を期末とする四半期報告書(フォーム10-Q)に詳細が記載されています。これらのリスクや不確定性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は「将来予測に関する記述」とみなされる可能性があります。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではなく、「将来予測に関する記述」に過度に依拠することのないようご注意ください。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

lenacapavirの製品概要の全文は、EMAのウェブサイト(www.ema.europa.eu)に掲載されています。

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