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グローバルサプライチェーンの再構成は2030年まで続く

2022.08.10 11:29

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202208104986-O1-Sg4mtUV2

AsiaNet 97304 (1809)

【台北2022年8月10日PR Newswire=共同通信JBN】COVID-19のパンデミックが3年目に突入し、欧州の危機が欧州・アジアの輸送に混乱を引き起こしているため、グローバルサプライチェーンは依然、混乱状態にある。専門家のMark Millar氏は、混乱は企業に部品調達と生産を再評価するための機会を提供し、今後はより地域的なアプローチを進めることを検討していると述べた。同氏はまた、一部企業はニアショアリング(近隣国へのアウトソーシング)やリショアリング(生産拠点の国内回帰)を行い、グローバルサプライチェーンの再構成が2025年から2030年まで続くとみている。

Millar氏は、30年以上のグローバルビジネス経験を有する物流・サプライチェーン戦略の国際的に有名な業界専門家である。同氏は著名な基調講演者であり、Global Supply Chain Ecosystemsの著者である。同氏は8月25日にDIGITIMES Asiaが主催するウェビナー「From Long Chains to Short Chains: Reforming Global Supply Chains in the Post-Pandemic Era(ロングチェーンからショートチェーンへ:ポストパンデミック時代におけるグローバルサプライチェーンの改革)」(https://reurl.cc/1Znv1W )で基調講演を行う。

Millar氏によると、世界の多くの地域ではサプライチェーンの大混乱が続いているが、一部地域では回復が進んでいる。サプライチェーンがグローバル化すればするほど、混乱はますます広がる。しかし、企業が現在、直面している課題は、2年前とは異なっており、特にMillar氏が「ブラックスワン」イベントと表現した進行中の紛争に関しては、そうである。

同氏は、2021年中に海上貨物輸送部門の大幅な混雑により、追加的な100万個の貨物コンテナが東アジア、主に中国から西欧まで鉄道で移動したと述べた。

これらのルートのほとんどはロシアを経由しており、現在は利用できない。それ故、運送業者や物流会社は、既に満杯になっている船舶のコンテナ用スペースを見つける必要がある。

より広い意味で、欧州における危機は石油・ガスの入手可能性とエネルギー価格上昇に影響を与えた。Millar氏は、この状況がサプライチェーンにサービスを提供する世界的な輸送ネットワークに波及効果をもたらしていると述べた。

▽ニアショアリングとリショアリングが増大へ

課題に対処するため、企業には何ができるのか?使い古された用語だが、Millar氏は、サプライチェーンパートナーの間の協力が短期・中期的に危機を乗り切るための実際的な方法であると述べた。この取り組みには、より費用がかかる可能性があるが、商品を最終目的地に届けることのできる代替ソースや輸送ルートを見つけることなどがある。

Millar氏は、中期的には30年にわたるグローバル化の後、この混乱が再評価の機会を生み出したと述べた。例えば、企業は将来的にサプライチェーンの回復力を高め、排出量を削減するため、より地域的なアプローチを取りたいと考えるかもしれない。

実際、サプライチェーンを再構築する企業の動きが始まっている。Millar氏は、一部企業はニアショアリングを検討ないし実施しており、部品調達と生産を最終目的地の市場に近づけていると述べた。部品調達と生産を最終目的地に戻すことを検討している企業もある。これは、オンショアリングとも呼ばれるリショアリングである。

Millar氏は「サプライチェーンへのより地域的なアプローチの動きが見られるだろう」と語った。

同氏は、欧州のシナリオでは、ポーランド、トルコ、さらには低コストの労働力を持ち、地理的に欧州に近い北アフリカの一部の国でさえ、潜在的なニアショアリングの場所として機能すると付言した。

▽部品調達と生産はアジアで堅調を維持

全てのニアショアリングとリショアリングが行われる中、サプライチェーンの再構成が製造大国としてのアジア、特に中国の役割に影響を与えるかどうかについて疑問が提起されている。

Millar氏は、複数の理由により大規模な国外流出はなく、生産の一部のみが中国またはアジアから移されると述べた。例えば、一部のサプライチェーンは非常に複雑できめ細かいため、再配置は法外な費用とリスクを伴う。

さらに、消費者階級成長の大部分は、少なくとも2030年までは引き続きアジアに由来するものとなろう。Millar氏は、この増加分はニアショアリングのためにアジアから流出するものをほぼ補うと述べた。従って、アジアのサプライチェーンの生産と部品調達は、引き続き堅調で同地域に貢献する。

さらに、中国政府は経済自立を促進するため、二重流通戦略を採用している。この政策は、中国国内での生産を促進するためのさらなる推進力となろう。

Millar氏は、グローバルサプライチェーンを再構成する実際の動きは、2025年から2030年にかけて明らかになると結論付けた。ニアショアリングとリショアリングに加え、企業は中国のサプライチェーンを現地販売製品のために-「中国で中国向け」に-集中させるだろう。さらに、アジア周辺の多様化は中国プラス戦略をもたらし、アジア向けにアジアで構築されたサプライチェーンを生み出す。

Millar氏によると、大手上場企業の最高経営責任者(CEO)や最高財務責任者(CFO)の一部は現在、サプライチェーンの戦略的決定に関与している。将来のサプライチェーンの方向性について、取締役会で多くの議論が進行するだろう。成果は5年から10年かけて徐々に出てくる。

Millar氏は「2030年のグローバルサプライチェーンの状況は、過去10年ほどの間にわれわれが慣れ親しんできたものとはかなり異なるものになる」と付言した。

DIGITIMESのサプライチェーン・ウェビナー(https://reurl.cc/1Znv1W )に参加し「Supply Chain 2025」を議論し、Covidの混乱を振り返り、物流部門のダイナミクスと地政学的意志がパンデミック後のサプライチェーンの未来にどのように影響するかを探ろう。

ウェビナーの詳細な情報はhttps://reurl.cc/1Znv1W を参照。

8月25日のDIGITIMES Asiaのサプライチェーン・ウェビナー「Reforming Global Supply Chains in the Post-Pandemic Era」(https://reurl.cc/1Znv1W )(DIGITIMES Asia)に参加を。

ソース:DIGITIMES ASIA

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