Pharmingが臨床免疫学会2022年年次会合でleniolisibの第2/3相治験から得た肯定的データを発表
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【ライデン(オランダ)2022年4月2日PR Newswire=共同通信JBN】Pharming Group N.V.(以下「Pharming」ないし「同社」)(EURONEXT Amsterdam: PHARM/Nasdaq: PHAR)は、原発性免疫不全症である活性化ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ(PI3Kデルタ)症候群(APDS)治療向けleniolisibの極めて重要な第2/3相治験から得た新しいデータを発表した。米メリーランド州ベセスダにある米国立衛生研究所原発性免疫不全クリニックの勤務医で主任研究員のV.Koneti Rao医学博士は、臨床免疫学会(CIS)2022年年次会合(https://cis.clinimmsoc.org/education/meetings/am22 )でのプレゼンテーションで調査結果を共有した。
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2022年2月2日に発表されたように、ノバルティス(Novartis)が実施した治験の多国籍、トリプルブラインド、プラセボ対照、ランダム化、第3相部分は、リンパ節サイズの縮小と免疫不全の矯正を評価し、その主要なエンドポイントを満たした。リンパ節腫脹病変の縮小とナイーブB細胞の比率の増加は、APDS疾患マーカーの減少を示しているため、この集団では重要である。CISで初めて発表されたベースライン後85日目の共同主要エンドポイントは以下を示した:
*インデックスリンパ節腫脹病変では、プラセボ投与患者の-0.06(95% CI: -0.37, -0.11; p=0.0012)と比較して、leniolisib投与患者の直径の積(SPD)のlog10変換合計(SPD)の統計的に有意な調整済み平均変化は-0.30。
*ベースラインレベル<48%から、leniolisib投与患者のナイーブB細胞の割合が34.76%増加したのに対し、プラセボ投与患者では-5.37%減少(95% CI: 28.51, 51.75; p<0.0001)。
治験薬は忍容性が良好だった。治験治療の中止につながる有害事象はなく、死亡例はなく、重篤な有害事象(SAE)発生率は、プラセボ群よりもleniolisib群の方が低かった。どのSAEも治験治療への関連の疑いはなかった。
ニューヨークのマウントサイナイ医科大学免疫学David S. Gottesman教授Charlotte Cunningham-Rundles医学博士・博士の発言は以下の通り:
「leniolisibがAPDSでのこの第3相治験でそのような肯定的な結果を達成したことは素晴らしいニュースである。この薬がこの困難な病気の原因を標的にして、ケアを改善し、患者の症状を軽減することができることを確認することは非常に励みになる。APDS患者に合わせた治療への進歩は、われわれが待ち望んでいたマイルストーンである」
Pharmingは2022年第2四半期に世界中の規制当局へのleniolisib承認申請を開始し、承認を条件として、2023年第1四半期に米国で治療を開始し、2023年後半に欧州で一連の治療開始の予定である。
PharmingのAnurag Relan最高医療責任者のコメントは以下の通り:
「Pharmingは、leniolisibが両方の主要評価項目で重要性を達成し、これらのAPDS患者で十分許容されたことを喜ばしく思う。この製品が承認されれば、現在、抗生物質や免疫グロブリン補充療法などの支持療法に依存しているこの希少疾患患者のアンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)に対応できるからである。世界中の規制当局と緊密に協力して、免疫学者、血液専門医およびその患者がleniolisibを利用できるようにすることに加え、非盲検延長治験と、12歳未満の子どもを登録し、潜在的に製品の地理的範囲を拡大する2つの追加的治験を通じてこの治療法開発を継続する」
▽活性化PI3K デルタ症候群(APDS)について
APDSは希少な原発性免疫不全症であり、100万人当たり約1-2人が罹患している。PASLIとも呼ばれ、白血球の成熟を調節する2つの遺伝子PIK3CDないしPIK3R1のいずれかの変異によって引き起こされる。これら遺伝子の変異体は、PI3Kデルタ(ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ)経路の活動亢進を引き起こす。(1,2)PI3Kデルタ経路のバランスの取れたシグナル伝達は、生理学的免疫機能に不可欠である。この経路が活動亢進すると、免疫細胞は成熟して適切に機能しなくなり、免疫不全と調節不全を引き起こす。(1,3)APDSは、重度の再発性副鼻腔肺感染症、リンパ増殖、自己免疫、および腸症を特徴とする。(4,5)症状は、他の原発性免疫不全症を含むさまざまな疾患に関連している可能性があり、APDS患者はしばしば誤診され、中央値で7年の診断遅延を被っている。(6)APDSは進行性疾患であるため、この遅延は永続的な肺の損傷やリンパ腫を含む損傷の蓄積につながる可能性がある。(4-7)この疾患を決定的に診断する唯一の方法は、遺伝子検査によるものである。
▽leniolisibについて
leniolisibは、クラスIA PI3Kの110 kDa触媒サブユニットのデルタアイソフォームの小分子阻害剤であり、免疫調節作用と潜在的な抗腫瘍作用を備えている。leniolisibはホスファチジルイノシトール-3-4-5-三リン酸(PIP3)の産生を阻害する。PIP3は、AKTを(PDK1を介して)特異的に活性化する重要な細胞メッセンジャーとして機能し、増殖、分化、サイトカイン産生、細胞生存、血管新生、代謝など多数の細胞機能を調節する。遍在的に発現するPI3KアルファおよびPI3Kベータとは異なり、PI3KデルタおよびPI3Kガンマは主として造血系細胞で発現する。適応免疫系(B細胞および程度は低いがT細胞)および自然免疫系(好中球、肥満細胞、およびマクロファージ)の多数の細胞機能の調節におけるPI3Kデルタの中心的役割は、PI3Kデルタが幾つかの免疫疾患の有効かつ潜在的に効果的な治療標的であることを強く示唆している。
現在までleniolisibは、健康な被験者を対象とした初めてヒトに投与する第1相治験と第2/3相登録を可能にする治験の両方で十分許容されてきた。
▽Pharming Group N.V.について
Pharming Group N.V.は、希少疾患やアンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)の治療のための革新的なタンパク質補充療法と精密医薬品を開発しているグローバルな商業段階のバイオ医薬品企業である。
当社ポートフォリオの主力製品は、組み換えヒトC1エステラーゼ阻害剤(rhC1INH)フランチャイズである。 C1INHは罹患組織の炎症制御のため、補体および接触カスケードを下方制御する自然界に存在するタンパク質である。
当社主力製品であるRUCONEST(R)は、血漿を含まない最初で唯一のrhC1INHタンパク質補充療法である。急性遺伝性血管性浮腫(HAE)発作の治療薬として承認されている。当社はRUCONEST(R)を、米国、欧州連合(EU)、英国で独自の販売・マーケティング組織を通じて、その他の地域では流通ネットワークを通じて商品化している。
さらに当社は、子癇前症、急性腎障害、COVID-19感染の結果としての重度の肺炎など、さらなる適応症の治療におけるrhC1INHの臨床的有効性を調査中である。
また、活性化PI3Kデルタ症候群(APDS)の治療薬として、経口精密医薬品であるleniolisib(ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ、ないしPI3Kデルタ、阻害剤)の研究も行っている。leniolisibの世界的な権利は、2019年にノバルティス(Novartis AG)からライセンス供与された。leniolisibは、米国と欧州での第2/3相治験を可能にする登録において、両方の主要エンドポイントを満たした。当社は2022年第2四半期以降のleniolisibの世界的な規制当局への提出を目指している。
さらに、Orchard Therapeuticsと戦略的協力関係を結び、HAEの治療のために新たに開示されたex-vivo自己造血幹細胞(HSC)遺伝子治療であるOTL-105を研究、開発、製造、商品化した。
さらに、トランスジェニック製造技術を活用し、現在前臨床開発中のポンペ病を中心とした次世代のタンパク質補充療法を開発している。
▽参考文献
1. Lucas CL, et al. Nat Immunol. 2014;15:88-97.
2. Elkaim E, et al. J Allergy Clin Immunol. 2016;138(1):210-218.
3. Nunes-Santos C, Uzel G, Rosenzweig SD. J Allergy Clin Immunol. 2019;143(5):1676-1687.
4. Coulter TI, et al. J Allergy Clin Immunol. 2017;139(2):597-606.
5. Maccari ME, et al. Front Immunol. 2018;9:543.
6. Jamee M, et al. Clin Rev Allergy Immunol. 2019;May 21.
7. Condliffe AM, Chandra A. Front Immunol. 2018;9:338.
▽問い合わせ先
Pharming Group, Leiden, The Netherlands
Sijmen de Vries, CEO: T: +31 71 524 7400
Susanne Embleton, Investor Relations Manager
T: +31 71 524 7400
E: investor@pharming.com
FTI Consulting, London, UK
Victoria Foster Mitchell/Alex Shaw
T: +44 203 727 1000
FTI Consulting, USA
Jim Polson
T: +1(312)553-6730
LifeSpring Life Sciences Communication, Amsterdam, The Netherlands
Leon Melens
T: +31 6 53 81 64 27
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ソース:Pharming Group N.V.