第18回ACジャパン広告学生賞入賞作品決定
2022年3月25日
公益社団法人 ACジャパン
第18回ACジャパン広告学生賞入賞作品決定
―「テレビCM部門」グランプリは、APD(聴覚情報処理障害)がテーマの
『聞こえているのに、聞き取れない』
「新聞広告部門」グランプリは、認知症がテーマの『バスの来ないバス停』
公益社団法人ACジャパン(理事長 藤重貞慶)は、第18回「ACジャパン広告学生
賞」の入賞作品を下記の通り決定しました。
ACジャパン広告学生賞は、学生を対象に公共広告をテーマにした広告作品を募集・表
彰し、公共広告への理解と社会に関わる「公」の意識を育むことを目的とした賞で、今回
で18回目を迎えます。「テレビCM部門」(30秒テレビCM)と「新聞広告部門」
(15段新聞広告)の両部門で作品の募集を行い、今年度「テレビCM部門」では参加校
36校(前年度35校)・260作品(前年度244作品)の応募があり、「新聞広告部
門」では参加校28校(前年度30校)・520作品(前年度529作品)の応募があり
ました。
審査は「公共広告として優れており、人々に興味や気づきを感じさせる作品か」「学生
ならではの感性や、オリジナリティ溢れるアイデア・テーマ性があるか」等を視点に行わ
れ、その結果「テレビCM部門」では、APD(聴覚情報処理障害)をテーマにした『聞
こえているのに、聞き取れない』(長岡造形大学、制作代表者:鈴木 悠さん)がグラン
プリを、スマホ依存をテーマにした『充実した1日は充電が減らない』(武蔵大学、制作
者:高見澤 海羽さん)が準グランプリBS民放賞を受賞しました。
「新聞広告部門」では、認知症をテーマにした『バスの来ないバス停』(東北芸術工科大
学、制作者:斉藤 彩乃さん)がグランプリを、高齢者問題をテーマにした『「ちょっと
一緒に」で守れるライフライン』(大阪芸術大学、制作者:松田 紗香さん)が準グラン
プリを受賞しました。
「テレビCM部門」の2作品(30秒)はBS民放8局で、「新聞広告部門」の2作品
(全15段)は全国紙5紙で、各々ACジャパン広告学生賞受賞作品として、7月からの
1年間の間に放送・掲載される予定です。
その他両部門で、審査員特別賞、優秀賞、奨励賞の各賞が決定しています。
記
第18回ACジャパン広告学生賞
1.主催:公益社団法人 ACジャパン
2.後援:BS日本、BS朝日、BS-TBS、BSテレビ東京、BSフジ、
WOWOW、BS11、BS12 トゥエルビ、
朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、日本経済新聞社、産経新聞社
3.受賞作品:
■「テレビCM部門」(30秒テレビCM)
・グランプリ 1点
『聞こえているのに、聞き取れない』 テーマ:APD(聴覚情報処理障害)
学校名:長岡造形大学 制作代表者:鈴木 悠
《企画意図》
・APD(聴覚情報処理障害)という障害の存在、またその症状を抱えた
人々が社会生活において抱える困難についての周知を進める。
《審査員講評》
・この障害に関して漠然とした知識しかなかったが、ものすごくリアル
に感じさせてくれた作品。
・この障害を分からないはずの人に共有できる表現がすごい。
・障害を体験させられた気がする。
・映像ならでは表現で丁寧につくられている。
・準グランプリBS民放賞 1点
『充実した1日は充電が減らない』 テーマ:スマホ依存
学校名:武蔵大学 制作者:高見澤 海羽
《企画意図》
・どんな時もスマホを手にしている世の中で、生活を充実させることが
できればスマホを開く回数が自然と減りスマホ依存から身を守れる
のではないかと思いこの作品を作りました。そしてスマホには思い出
を残すことができるというメリットもあるため、女の子たちのキラキ
ラした表情を詰め込みオリジナルの歌と共に表現しました。
《審査員講評》
・よくあるスマホ依存のテーマだが、こういう表現は今までなかった。
・歌にのせて明るいトーンで表現しているのが良い。
・アクティブな表現で健康的、印象的。
・テレビCMらしくできている。
・審査員特別賞 4点
『スマホに生かされる』 テーマ:スマホ依存
長岡造形大学 制作代表者:土濃塚 里穂
『虐待の花』 テーマ:児童虐待
長岡造形大学 制作代表者:加藤 悠夏
『空き巣の多い町』 テーマ:あいさつ
大阪芸術大学 制作代表者:楠本 大貴
『生理はタブーじゃない。』 テーマ:ジェンダー
関西大学 制作代表者:沖本 媛子
・優秀賞 17点
・奨励賞 22点
■「新聞広告部門」(15段モノクロ新聞広告)
・グランプリ 1点
『バスの来ないバス停』 テーマ:認知症
学校名:東北芸術工科大学 制作者:斉藤 彩乃
《企画意図》
・認知症当事者に対する新たな価値観の提案広告。ボディコピーには実
際にあった話を引用。認知症当事者につく「嘘」に対しての偏見や負
の価値観を変えられないかという思いで制作。
《審査員講評》
・「読み物」としてもきちんと読める。完成度が高い。
・イラストや文章の大人っぽさも含め秀逸。
・認知症に対する新しい切り口。認知症に対してヒントになる。
・シンプルだが問題の本質をよく表している。
・準グランプリ 1点
『「ちょっと一緒に」で守れるライフライン』 テーマ:高齢者問題
学校名:大阪芸術大学 制作者:松田 紗香
《企画意図》
・私の故郷は車がなければ移動が困難ということが原因で、高齢者の免
許返納がなかなか進んでいないということを知り、この問題のために
様々な活動をしているということを知って欲しいと思い、このテーマ
を選びました。
《審査員講評》
・高齢者の運転免許返納問題から視点を変えて、より良い社会への提言
になっている。
・特に地方では切実な問題だが、都会でも買い物難民の問題が出始めて
おり、全国で大事なテーマ。メッセージ性も高い。
・つくり手の優しさが伝わってくる作品。ビジュアルも共感を呼ぶ。
写真も情緒的で良い。
・審査員特別賞 4点
『それが私のぜんぶじゃない』 テーマ:LGBTQ+
学校名:目白大学 制作代表者:大竹 志穂
『たすけ手』 テーマ:ハンドサイン
学校名:大正大学 制作者: 仲摩 知夏
『15歳からブラックだった。』 テーマ:ブラック校則
学校名:静岡デザイン専門学校 制作者: 鈴木 美優
『ピエロの涙』 テーマ:いじめ
学校名:インターナショナルデザインアカデミー
制作者: 小橋川 俊
・優秀賞 20点
・奨励賞 16点
以上
ACジャパンについて
・公益社団法人ACジャパンは、1971年に関西公共広告機構として設立されまし
た。1974年に社団法人公共広告機構となり、2009年にACジャパンと名称変
更しました。「公共マナー」や「環境問題」など、社会にとって有益と思われるメッ
セージを、さまざまな広告の形で発信することにより、社会と公共の福祉に貢献する
ことを目標として活動する民間の組織で、活動は約1000社の会員社や個人会員か
らの会費を基に運営されています。
会員メディアからの広告枠の無償提供と、会員広告会社からの表現アイデアの提供が
運営における最大の特徴で、日本全国の多くの民間企業が参加するボランティア活動
の公益性の高さが認められ、2011年に公益社団法人になりました。