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全財産を失った翌々朝、勢いよく叩かれたアパートのドア。開けると見知らぬ男性が立っていて(岩手県・50代女性)

Jタウンネット読者

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2026.10.26 06:00
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帰宅して気付いたのは

近所ということもあり、洗面器に石鹸等を入れ、長財布を上に乗せ、徒歩での往復。

その日も、こんなスタイルで銭湯へ行ったあと帰宅したら、洗面器の上に乗せていた長財布が無いことに気付きました。

次の給料日までの、全財産が入った、安物の長財布。

私は青くなり、銭湯までの道を引き返し、目を皿のようにして、あちこち探し歩きましたが、長財布は見付かりませんでした。

明日からの生活をどうしようと、途方に暮れ、また今なら携帯電話がありますが、当時は公衆電話しかなく、一銭もない私は、実家に電話することもできず、反対されながら強引に都会に出たことを悔やみ、ただただ泣くことしかできなかった。

お母さんの手料理が恋しい......。

明日からどうやって生活したら良いのか......。

一晩中泣いて、泣き腫らした目で出社しました。

上司に心配され、事情を聞かれ、説明しました。

会社から近い場所にアパートを借りた為、徒歩で出勤していましたが、上司の計らいで、最低限の交通費を出してくれるよう、会社に掛け合ってくれることになりました。

一先ず、ホッとし、その日は上司に食事をご馳走になり帰宅しました。

翌日の明け方、アパートのドアを勢いよく叩かれ、眠い目を擦りながらドアを開けると、見知らぬ若い男性が立っていました。

その方は、近くの新聞屋さんで働く配達のお兄さんで、配達の途中に、私の長財布を見付けたこと、中身を確認したら、献血手帳が入っており、そこにアパートの住所が書かれてあったこと、昨夜訪ねたが留守だったこと等を話してくれました。

長財布を見付け、絶対に在宅であろう配達前に、親切に届けてくれたのです。

そんな気遣いまでしてくれたのに、私はその場でお礼を言うのが精一杯なのと、若さ故の気の利かなさで、改めてお礼に伺うこともせず......。

たまに思い出しては、心の中で、ありがとうを言っています。

あの時、あの親切な新聞屋さんがいなかったら、都会で一人、頑張って来れなかったと思います。

強引に都会へ出た手前、ちょっとやそっとのことで、地元へは帰れない意地もあり、新聞屋さんの親切に、都会で頑張り続けられました。

あの時、ちゃんとお礼もせずごめんなさい。

そして、本当にありがとうございました。


【このコーナーでは読者のみなさんからの投稿を紹介しています】

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」「親切自慢エピソード」「親切目撃談」などを募集している。

読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

※本コラムではプライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください

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