父のいる駅をどんどん離れていく準急「びんご」。小学生の私が泣いていると、車掌がやってきて(広島県・60代男性)
目的駅で降りたのに、寝ぼけていてまさかの行動に。
当時小学校低学年だったNさん(投稿時:広島県在住60代男性)は、降りたばかりの電車にまた飛び乗ってしまったのだ。
そして電車は、彼を乗せてどんどんスピードを上げていき......。
<Nさんからのおたより>
運転席の後ろにかぶりついて、将来国鉄の運転手になりたいと思う小学低学年でした。
ある日、父と2人で大阪から準急「びんご」に乗って広島・福山に帰っているときのことです。疲れて寝ながら乗っていました。
岡山駅到着時にホームの洗面台で水を飲み、発車のベルで慌てて、父と電車に飛び乗り、また寝てしまいました。
発車ベルの音に驚いて...
福山駅に到着した時、父に起され寝ぼけた状態で、父の後をホームに降りました。
まもなく、ホームに発車のベルが鳴り響き、その音でなんと私は慌てて電車に飛び乗ってしまったのです。
ドアが閉まってすぐに我にかえったのですが、電車はどんどん加速して駅を離れて行きました。あとはもうどうにもならない状況で、相当泣いていたと思います。
そこに車掌さんが来てくれて、事情を聞かれたと思いますが、多分泣いてばかりで、要領えなかったと思います。車掌室に連れて行かれて、栓抜きの必要なオレンジの瓶ジュースを出されて、「飲むか」と聞かれたけど、ひたすらつらくて泣いていました。
車掌さんは、「お父さんは、福山の駅で待っているから、大丈夫。この電車は三原に着いたら、すぐに普通列車で岡山に戻るから」と言われました。
列車旅は大好きだったものの、これは最悪の旅となりました。しかし、車掌さんが福山駅に戻るまで相手をしてくれて、ホームに下ろしてくれました。
ホームで父の顔を見てまた大泣きして、車掌さんにお礼どころか、振り返りもせず今日まで来ました。
顔も声も覚えていませんが、キチンとした制服と机の上にあったジュースの瓶の風景、そして言われた言葉は、60年経っても覚えています。
本当にありがとうございました。
【このコーナーでは読者のみなさんからの投稿を紹介しています】
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」「親切自慢エピソード」「親切目撃談」などを募集している。
読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
※本コラムではプライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください