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雪女呼んで〝雪乞い〟する奇祭があった 今年は「豊雪への感謝」込め開催へ...福島・中ノ沢温泉

松葉 純一

松葉 純一

2025.02.14 06:00
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2025年2月12日、とあるXユーザーが投稿した一風変わった画像に、記者の目はひきつけられた。

「雪女まつり」チラシ  「小西食堂、勝手に営業部長」さん(@konishi1937)の投稿より
「雪女まつり」チラシ  「小西食堂、勝手に営業部長」さん(@konishi1937)の投稿より

「小西食堂、勝手に営業部長」(@konishi1937)さんが投稿した、イベントのチラシである。

真っ黒なロングヘアに、白い顔。ブルーのアイシャドウに紫色のリップ。寒々しくも妖艶な印象を受ける人物が青白い背景の上にプリントされている。

イベントの名前は「第二回 中ノ沢温泉 雪女まつり」。なんと「雪女まつり」?

ポストには、

「豊雪を祈願する全国でも類を見ない奇祭」
「幻想的で神秘的な一日を
ご一緒に祝い過ごしてみませんか?」

なんてコメントが添えられている。

〝災害級の大雪〟なんてワードを耳にする機会も増えて、雪がたくさん降るのは大変な事なのだろうと思っていたが......豊雪を祈願する地域もあるのか。「雪女まつり」とはどんな行事なのか?

投稿者「小西食堂、勝手に営業部長」さんを通じて、イベントの企画立案者に詳しい話を聞くことができた。

「雪乞いなんてできませんか?」がきっかけ

「雪女まつり」チラシ  「小西食堂、勝手に営業部長」さん(@konishi1937)の投稿より
「雪女まつり」チラシ  「小西食堂、勝手に営業部長」さん(@konishi1937)の投稿より

中ノ沢温泉は、福島県耶麻郡猪苗代町にある。

「雪女まつり」の主催者は、福島県会津若松市出身で、妖怪を活用した地域活性化や町おこしなどに取り組む「妖怪屋」の相田一成さん。公式サイトのプロフィールによると、幼少期から妖怪が好きだったという。

中ノ沢温泉の「雪女まつり」について、こう説明した。

「本イベントは過去に名前がかわったり主催が青年部から妖怪屋にかわったりしていますが、今年で7回目の開催となる雪女をテーマとした地域おこしイベントです」(「妖怪屋」相田さん)

「雪女まつり」のメインイベントは、中ノ沢温泉街を練り歩く雪女行列と、その到着地点で行われる〝雪乞い〟。

会津地方の伝統的な火祭りに「歳の神」(神棚にお飾りしたしめ飾りやお供え物をお焚き上げして歳神様を天にお送りし、今年一年の五穀豊穣、無病息災を願う神事)があるが、雪女まつりではそのお焚き上げの火の周りで、雪女が雪乞いを行うという。

「雪女まつり」のそもそものきっかけは、2018年、記録的な暖冬で、スキー客の減少が懸念されていたことだった。「『雪女さん呼んで雪乞いなんてできませんか?』という冗談まじりの一言から始まった」という。

「半ば冗談のように、旧Twitterで『雪女募集』と投げかけたところ、多くの反響があり、ではやりましょう! となった経緯がございます」と、相田さん。準備期間が短かったのにもかかわらず、なんと3人もの雪女と7人(?)近くの妖怪も集まり、なんとか開催にこぎつけたという。

「私は地元が福島県の会津若松で、中ノ沢温泉は私も、私の母親も大好きな温泉地でしたので毎年、特別な想いで開催しております」
「中ノ沢の青年部の皆様もとてもあたたかく協力的で、だからこそ素晴らしい演出ができ、年々このイベントを目的に集まる人が増えているのだと思います」(「妖怪屋」相田さん)

ところで今年は記録的な豪雪のため、各地で雪による被害も出ているが、「雪は自然にとっても地域にとっても不可欠なもの、今年は豊雪への感謝をこめた企画にしよう」と考えているという。

雪女に会いたい読者は、気象情報をチェックして、ご参加いただきたい。

(2025年2月14日午前10時20分編集部追記:記事初出時、相田さんのお名前を誤って表記している部分がありましたので修正しました。)

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