〝行くべき52か所〟選出で「複雑」「バレてしまった」の声も 富山市のインバウンド対策、どうなってる?観光協会に聞く
欧米豪の富裕層を誘致する事業を推進
富山市観光協会の担当者によると、実は富山市では2022年度から、欧米豪の富裕層を誘致する事業を次のように実施している。
【1】欧米豪の富裕層に向けた、富山市ならではの高付加価値旅行商品を造成
(富山ガラス工房でワイングラスを作り、翌日にダブルツリーbyヒルトン又はリバーリトリート雅樂倶でそのグラスで乾杯できる特別なプラン)
【2】欧米豪向けに富山の上質な魅力を伝える観光PR動画を作って公開
(動画の中で上記の高付加価値旅行商品を紹介)
【3】欧米豪の富裕層に対応できるガイド育成
【4】欧米豪の富裕層を取り扱う海外エージェントに【1】の商品を売り込み販路を開拓。
(2025年2月20日~21日に日本政府観光局(JNTO)が主催する、海外富裕層向け旅行者商談会「Japan Luxury Showcase2025」に初めて参加し、富山市を売り込む予定)
高付加価値旅行商品の中で使用される、ダブルツリーbyヒルトン富山は、世界的に有名なホテルチェーンであるヒルトングループの中級から上級クラスに位置するホテルブランド「ダブルツリー」で、富山駅から徒歩約3分の好立地。
リバーリトリート雅樂倶(がらく)は、富山市春日温泉郷にあるリゾートホテル。神通峡が目の前の風光明媚な立地で、館内および敷地内に300点のアートも展示する「川のほとり、アートの宿」である。 富裕層向けのホテルとしては、どちらも申し分ないだろう。こうした欧米豪の富裕層をターゲットとした事業が推進されることによって、逆に日本人の富裕層が改めて富山市に関心を抱くことにつながるかもしれない。
他に、「富山市まちなか観光案内所」での甲冑着付けや馬に乗れるSAMURAI体験、観光マップの英語版作成、SNS(X,Instagram,Facebok,YouTube)やWEBでの情報発信なども積極的に行っていくとのこと。
オーバーツーリズムの弊害を心配する声に対して、富山市観光協会の担当者はこう語った。
「富山市を訪れる外国人は日本文化に深く魅了され、何度も日本を訪れるような旅行者であり、彼らは地元の人々の暮らしや風景に敬意を払い、上質な旅行を求めていると期待しています」
「富山市にお越しいただいた際には、しっかりとした受け入れ体制を整え、訪れた方々に満足していただき、また訪れたいと思っていただけるよう努めてまいります」