「すこし視界が滲んでしまいました」 非公開だった「幻の近代建築」と夢の邂逅...下関市「長府苑」の美しき西洋館
ずっと見たかった建物を前に滲んだ視界
日本家屋「長府苑」と洋館は田中隆氏、長府船渠の手を経て、51年に三菱重工の下関造船所の所有に。
下関市在住の投稿者・腹よわボーイさんは近代建築などが好きで、地元・下関にこのような建物があることは知っていた。「やまぐち建築ノート」(マツノ書店)掲載の写真を眺めたり、下関出身の作家・古川薫氏の「海と西洋館」を読んだりして、完成間近に新築のまま廃墟と化したエフェメラルな(はかない)雰囲気に思いを馳せていたのだと語る。
「非公開だったため見ることは難しく......いつか見てみたいと思ってた」(腹よわボーイさん)
腹よわボーイさんの願いが叶ったのは、2023年秋に下関市がこの場所を取得したから。長府の歴史・文化と調和した街並みを保全することが、第一の目的だ。
24年3月22~24日には見学会が行われ、腹よわボーイさんは22日に参加。天気のいい日で、多くの人で賑わっていたという。
「見学会に来られた他のお客さんは、まずは和風建築の方へ入っていかれる方が多かったですが、私は迷うこと無く西洋館跡に向かいぐるぐると回っては、写真を撮ったり、感嘆の声を漏らしたりしていたので、多少奇異に見えたかもしれません(笑)」
「大きな門をくぐっても家屋は見えず、木立の間をしばらく歩くと純和風建築と西洋館跡が見えてくるのですが、ずっとこの目で見たかった建物を目の当たりにして、すこし視界が滲んでしまいました」(腹よわボーイさん)
なおJタウンネット記者が、下関市役所都市整備部公園緑地課に問い合わせたところ、今後の見学会については現在検討中で、まだ決まっていないとのことだった。
建築好き、廃墟好きな読者は、今後、下関市役所の情報も、要チェックかもしれない。