飼育員「ニオイで白飯3杯はいける」 カワウソ臭が染みついた「クサクサ朝採れ毛布」嗅げるイベント開催決定
つぶらな瞳や、器用に手を使って物を食べる姿などが可愛らしいカワウソ。その愛くるしさから人気の動物だ。
2024年5月、そんなカワウソの一般にはあまり知られていない一面を体感できるイベントが、東京・池袋のサンシャイン水族館で行われる。
カワウソの「ニオイ」を嗅げるのだ。
毎年5月の最終水曜日は国際カワウソ生存基金によって提唱された「世界カワウソの日」。2024年は5月29日がそれにあたる。
そこで、サンシャイン水族館では5月17~29日の期間に「カワウソWEEK」を開催。カワウソの生態や特徴をパネルで解説する。
加えて、より深くカワウソという生き物について学べるように設置されるのが──「カワウソのニオイクンクンBOX」だ!
「ちょっと酸っぱい系」
カワウソWEEK中、館内では水族館で飼育されているコツメカワウソのニオイがついた毛布を日替わりBOXに投入。当日の朝にカワウソたちのもとから回収された「朝採れ毛布」だ。
同館のプレスリリースによると、カワウソは可愛い見た目に反して、実は強いニオイを放つ生き物。
飼育スタッフの中には「嗅ぎながら白飯3杯は食べられる」という人もいるほどクセのあるもののようだが......一体、どんなニオイなのだろうか。
Jタウンネット記者は3月22日、サンシャイン水族館に詳しい話を聞いた。
同館飼育スタッフでカワウソ担当の芦刈治将さんによると、一般的にはカワウソはオスの方がニオイが強い。
ウエス(カワウソの展示水槽内に入れている布類)に付着するニオイはメス3頭分でもオス1頭分には敵わないレベル。
「オスはちょっと酸っぱい系でツンと来るニオイで、飼育スタッフの体や服にもニオイが移るくらいの感じ。オスのウエスは鼻を近づけて思いっきり吸い込むことができません」(芦刈さん)
そんなニオイを、どうして来場者に嗅がせたいのだろうか?
「見た目や仕草以外の魅力も感じてほしい」
カワウソはその見た目と動きなどから「カワイイ」という認識が広く伝わっていて、水槽前でも「カワイイ」という声以外はあまり聞いたことがない、と芦刈さん。
しかし、飼育している側としては、直に接しているからこそ感じられる更なるカワウソの魅力、生物としての情報も伝えたいと思っているという。
「カワウソを間近で見ていて感じられるものの中で、非常に大きな部分に『ニオイ』があります。そのニオイをお客様にも体感して頂くことにより、直接的に訴えかけることができるのではないかと思いました」(芦刈さん)
飼育スタッフにとって、そのニオイはたまらないもののようだ。プレスリリースにはこんな画像も掲載されていた。
普段は感じる機会がないカワウソの「リアル」。飼育スタッフを魅了する「ニオイ」。カワウソたちは個体ごとにもニオイが違うが、飼育担当者は確実にニオイを嗅ぎ分けられる「カワウソニオイソムリエ」なんだとか。すごい特殊能力だ。
そんなニオイを普段はビジュアルを愛でるばかりの私たちが体感したら......きっと今まで以上に、彼らに夢中になってしまうかも!?
なお、「カワウソWEEK」は同館開催のイベント「世界ペンギン・カワウソの日2024」の一環。
毎年4月25日の「ペンギンの日」を含めた4月12~25日は「ペンギンWEEK」となり、こちらでもペンギンの知られざる一面を「体感」できる。
ペンギンWEEKで設置されるのは「ペンギンの羽ふわふわBOX」。
黒くて重そうに見えるペンギンの羽根は、意外にも軽くてふわふわなんだとか......!
カワウソ・ペンギンの新たな魅力を発見できる貴重な機会を、お見逃しなく。