「高級旅館での食事中、じっとできない幼い息子。中年の男性客が近付いてきて『落ち着いて食べられないでしょう』」(東京都・40代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者Tさん(東京都・40代男性)
Tさん家族はその日、予想外のトラブルで、予定していなかった高級旅館に泊まることになった。
食事も高級で絶品だったのだが、まだ幼い子供はじっとしていることができず......。
<Tさんの体験談>
私と妻、2歳半の長男、まだ赤ちゃんの次男とで静岡の寸又峡温泉に行った時の話です。
東京から静岡方面への走行中に、予約した宿から「ボイラーが壊れたので別の宿にしてほしい」と連絡がありました。
料理は絶品!だけど赤ちゃんが...
手配された宿は、このエリアで最上級の宿でした。食事が用意されたのは見晴らしのいい席で、日本式庭園が見えます。そして料理はどれも高級で絶品でした。
しかし、まだ赤ちゃんの次男がじっとしてくれず、落ち着いて食べられるような状況ではありませんでした。
器も高級なので割ってしまわないか気が気でなく......妻と交互に抱っこしながら食べようかと思っていました。
しかし、そこに1人の中年男性が寄って来て、言ってくださったのです。
「落ち着いて食べられないでしょう。食べ終わるまでお子さんを抱っこしますから、ゆっくり食べてください」
普通は、見ず知らずの中年男性が「赤ちゃんを抱っこする」と言ってきたなら、警戒します。でもその時は自然にお願いできました。この方が自然体だったからだと思います。いつも親切にされているのでしょう。
自分が爺さんになった時は...
ただ、泣かないかは気になって、おそるおそる託したのですが、よくあやしてくれて次男もご機嫌でした。
おかげで妻がゆっくり料理を堪能している姿を見ることができました。
自分は食べるよりも、その方との会話に専念してしまいましたが......。
その人は、写真撮影が趣味で、子育てもひと段落したため、よくその宿に泊まっていると言っていました。「いい宿には人柄のよい宿泊客がいるんだなー」と感激しました。
自分にはなかなかできないけど、爺さんになった時は赤ちゃんをあやせるような年の重ね方をしたいです。
今も静岡方面にドライブに行くたび、思い出します。
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