「乳児を乗せたベビーカーと大荷物を抱えた雨の帰り道。坂道を下っていると後ろから...」(神奈川県・30代女性)
助けを断ると...「どう見ても大変でしょ」
「雨の中、坂道を荷物持って下るの、大変でしょ。ベビーカーはお母さんが押して、荷物は私が持ってあげますよ」
知らない人への遠慮と、高価なものは入っていないものの、荷物を盗られたらどうしよう、という思いから、一旦は丁重に断わりました。
でもその女性は食い下がります。
「どう見ても大変でしょ。私もね、娘がいて、子連れの時は周りの人にたくさん助けてもらってるの。あなたも遠慮しないで」
その言葉に張り詰めていた気持ちがぷつんと弾け、涙がポロポロ出て止まらなくなりました。
坂の下まで下りた時、かろうじてお礼は言いましたが、泣いている顔を見られたくなくてちゃんと向き合うことができませんでした。
それが、今でも心残りです。
その後も同じ時間帯に同じ場所を通っていたのですが、その人に会うことはありませんでした。
あの時は、本当にありがとうございました。
お寺の保育所だったので、仏様が色んなことでいっぱいいっぱいになっている私を励ましに声を掛けてくださったのかな、とも思いながら過ごしています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)