「新宿駅前で朦朧としていた19の私。声をかけてきた男性に、近くのトイレまで腕を引かれて...」(東京都・40代女性)
いい人すぎて警戒したが...
申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、それを飲んでいたら落ち着いてきて、お互いのことをぽつりぽつりと話したりしました。
彼は京王プラザホテルの給仕の仕事をしていると教えてくれました。ソムリエだったかもしれません。
20代半ばから30歳くらいに見えました。あまりにもいい人すぎて少し警戒したのですが、全く下心を感じないさっぱりした方でした。
誠実さと正義感、そして優しいお節介が同居した素敵なおにいさんでした。
それから何度もお礼を言って、でも、どうしても恥ずかしくてお名前と連絡先を聞けず、駅で別れました。
少し汚してしまったマフラーも、気にしなくていいから、安物だからと言って、そのまま私の手から奪い取るようにして、去って行きました。
あれから何度も思い出しては、後悔しています。お名前を、連絡先を、なぜ聞けなかったのだろうかと。
そして、お礼を改めてきちんと伝えたいと。
その後、社会人になり、たくさんの人と出会ってきたけれど、あんなにさわやかに人助けができる方はそうそうお会いできませんでした。
京王プラザホテルに行く時いつも、もしかしたらあのときのお兄さん、まだ働いていらっしゃるかな...と、思います。もし、まだホテルにいらしたなら、きっと素晴らしいホテルマンなのだろうな、とも。
あれから私は、誰かのやさしさに触れたら、その都度きちんとお礼を伝えていこうと思い、また、自分も人のためにさらっと動ける人でありたいと、常に心がけて行動しています。
お兄さん、あの時はありがとうございました。
あなたの、あの、やさしいお節介が、私の心にずーっと沁みついています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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