「友達がいなかった小学生の私。お弁当の時間に『みんなで輪になって食べましょう』と先生に言われて安心したのに...」(愛媛県・60代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Yさん(愛媛県・60代女性)
Yさんは小学生の時に転校を経験した。
それからすぐに遠足に行くことになったのだが、彼女にはまだ友達がおらず......。
<Yさんの体験談>
今から50年以上も前、小学校の遠足でのこと。私は転校したばかりで、まだ友達がいませんでした。
お弁当の時間は「みんなで輪になって食べましょう」と先生が提案したので、ひとりぼっちの私はホッとしたのですが......。
ホッとしたのも束の間で...
安心したのも束の間、箸がないことに気付きました。母が入れ忘れたのでしょう。私は泣きそうになりました。
その時、隣の女の子が声を掛けてくれたのです。
「お箸ないの?あげるよ」
「遠足のお弁当に一生懸命でお箸を忘れるお母さんがいるかも知れないから、そんな時はあげてねとお母さんが言ってた」
彼女は余分に持たされていた割り箸を私にくれました。
そのことがきっかけで彼女と仲良くなり、楽しい遠足になったのでした。
帰宅した私はすぐ母にその話をしました。それからの遠足には、母も私に多めに箸を持たせてくれるようになりました。
それからはお弁当の時間には、あの子と同じように周りを気にして、忘れた子にお箸をあげるように。
今では私も親になり、今度は我が子のお弁当の際に、余分に箸を持たせるようになりました。
「忘れた子がいたから、あげたよ!」
「今日は、先生が忘れてたよ」
子供からそんな話を聞くと嬉しくなります。
あの時、彼女に、箸を多めに持たせていたお母さんも、きっと誰かから助けられたのでしょうね。
このお箸の連鎖、「今もどこかで続いているといいなぁ」と思うのです。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)