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阪神「M1」生放送は「野球の神様がくれたチャンス」 サンテレビ広報が震える声で語った「アレ」中継への熱い意気込み

大山 雄也

大山 雄也

2023.09.14 16:45
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18年振りの"アレ"まで、あと一歩――。

2023年9月13日、プロ野球セ・リーグで1位の阪神タイガースが読売ジャイアンツに勝利した。

加えて同日、2位の広島東洋カープが東京ヤクルトスワローズに敗れたことで、阪神のマジックナンバー(優勝決定までの必要勝利数、以下「M」)は「1」に。

だから、9月14日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)での阪神タイガース対読売ジャイアンツ戦。これに勝てば文句なしで阪神の"アレ"が決まる。

この試合を地上波で放送するのが、サンテレビだ。

サンテレビボックス席(画像はサンテレビ公式サイトのスクリーンショット)
サンテレビボックス席(画像はサンテレビ公式サイトのスクリーンショット)

18時からの「サンテレビボックス席」で、試合終了まで完全生中継。"アレ"が決まるかもしれない試合とあって、放送席の面々も豪華だ。

実況は2003年9月15日の故・星野仙一監督の胴上げ試合でも実況を務めた湯浅明彦アナウンサーが担当。解説には、元プロ野球選手の真弓明信さんと掛布雅之さん。いずれも岡田監督・平田勝男ヘッドコーチと共に1985年に日本一を達成した、かつてのタイガースの主力選手だ。

過去の優勝と縁が深い放送席。サンテレビも、18年間待ち続けた"アレ"のために相当な力を入れたのかもしれない。

14日午前、Jタウンネット記者は放送前のサンテレビジョン(神戸市中央区)を取材した。

サンテレビも「まさか」だった

14日、午前9時46分。サンテレビボックス席のXアカウント(@3tvbox)は「そわそわ」と呟きながら、本社ロビーに置かれたマジック表示ボードの写真を投稿していた。

マジック表示ボード(画像提供:サンテレビボックス席@3tvbox)
マジック表示ボード(画像提供:サンテレビボックス席@3tvbox)

ボードの「M1」の下には、「本日アレ生中継」とある。試合開始前から"アレ"の瞬間を放送する気満々だ。すでにサンテレビ局内はお祭り騒ぎで、あの放送席を用意したのだろうか。

そんな想定をよそに、広報担当者は戸惑いながら記者の取材に応じた。曰く、「まさか、この日がこんなに早く来るとは」。

「湯浅アナや解説陣も"アレ"が決まるからといってキャスティングしていたわけではないんです。
ずっと前から中継日も実況も解説者の方も決まっていました。まさに偶然の産物。サンテレビが中継をやる日にM1になっているとは、天からの恵みです!」

タイガースの中継を長年行ってきたサンテレビにとっても、9月のチームの勢いは驚きだった。

振り返れば、8月29日の対横浜DeNAベイスターズ戦で逆転負けを喫して阪神のMは消滅。翌30日のベイスターズ戦にも敗れ、2位カープとのゲーム差は5まで縮まった。

2008年、読売ジャイアンツがまさかの逆転優勝を果たした、阪神にとっての「悪夢のシーズン」を想起した人もいるだろう。しかし、23年のタイガースは違った。

9月の快進撃にてんやわんや

9月1日に神宮球場で行われた対東京ヤクルトスワローズ戦で勝利して以降、無傷の10連勝。さらに2位カープの6連敗もあり、阪神のMは再点灯。あれよあれよという間にM1になっていたのである。

「正直、9月に入った段階で"アレ"の日はもっと遅いと思っていました。14日と17日に中継があるにしても早すぎる、9月後半でもおかしくないという感覚でした」(サンテレビ広報担当者)

サンテレビでも予想できなかった勢いで勝ち続けたタイガース。同局ではどんどん早まる"アレ"の日に向けて現場や編成部といった裏方も準備でバタバタの日々。お祭り騒ぎをしている暇などなかった。

阪神甲子園球場(写真ACより)
阪神甲子園球場(写真ACより)

そして、18年振りの"アレ"を本拠地で決められるかもしれない世紀の一戦の日がやってきた。奇しくも、サンテレビが中継を担当する14日に。広報担当者は、感慨深げに語った。

「長年積み重ねてきたものに、野球の神様がくれたチャンスではないかと思っています。今日、サンテレビが放送する中で決めてくれると信じています」

サンテレビはタイガースが良い時も悪い時も、ずっと試合を放送し続けてきた。タイガースを応援する人々に寄り添ってきた、ファンの心の友といっても差し支えない。

そんな局が中継を行う試合で"アレ"が決まってほしいと考えている虎党は少なくない。X上には「サンテレビで決めてくれ」というハッシュタグが登場し、「本当に本当にサンテレビの時に決めて欲しい」、「舞台は整った! あとは決めるだけ!頼むぞ! 阪神タイガース!」など祈りの声が数多く投稿されている。

サンテレビ側でも、そのことを把握しているという。広報担当者は取材の最後に、声を少し震わせながら中継への意気込みを語った。

「当たり前のことを当たり前にやる」

それは、岡田監督が何度も口にしていた言葉だった。

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