「大きなお腹で電車に乗った妊娠8か月の私。隣に座った男性がこちらを向いて何かブツブツ言っていて...」(東京都・40代女性)
「これ、僕たちが......」
え...?
勇気を出してチラリと顔をあげると、そこには体ごとこちらを向いてニコニコ笑顔で座っている若いダウン症と思しき男性が座っていました。
私と目が合うと、その方は
「付けてくれて、ありがとうございます!」
と、私のカバンについていたマタニティマークのキーホルダーを指さしました。そして、
「これ、僕たちが学校で作ったんです。僕は赤ちゃんが大好きです!付けてくれてありがとうございます!」
と、とても丁寧な言葉遣いでお話しをしてくれました。ハッとしました。
怖いと思ってしまっていた事を猛烈に後悔し、それと同時にとても嬉しくなって、泣きそうになりながら、
「こちらこそ、とってもかわいくて気に入っています!ありがとうございます!」
と言いました。
それから束の間ですが楽しくお話をしました。お腹の子が春生まれ予定の女の子だと言うと、「うーん...じゃあ、はるかちゃんか、さくらちゃんがいいと思います!」と可愛い提案もいただきました。
今ではそのときお腹にいた子も、ヤンチャ盛りの3歳になりました。字画が合わず残念ながら提案して頂いた名前にはできませんでしたが、スクスクと元気に育っています。
下ばかり見ていないで顔を上げて、前を向けば時にはこんな天使のような人にも出会えると、あの時教えて貰いました。
あの時は、ありがとう。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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