すぐそばを普通にクマが歩いてる...　出会ってしまったらどうすればいい？距離別「クマ対処法」がこちら

北海道の道路でクマが歩いている様子が撮影され、ツイッター（X）上で話題になっている。

こちらはカメラマンのPochio（＠pochio15）さんによる、2023年7月29日の投稿。

普通に熊が歩いてる

というつぶやきと共に、数メートルほど先の道路上をのっしりと歩くクマが捉えられている。

Pochioさんはガイドツアーに参加するため知床に訪れ、お店の開門を車の中で待っていたところ、クマが通り過ぎるのを目撃したという。もし生身で車の外にいたらと考えると恐ろしい状況だ。

もしいきなりクマに出会ってしまった場合、どうするべきなのか。知床の自然を守り、伝える活動を行っている知床財団が、クマと遭遇した時の距離別の対処法をまとめている。

クマと遭遇してしまったら...

まずはクマとの距離が20～50メートルほど離れていた時の対処法。

知床財団のウェブサイトによると、クマがひょっこりと出てきた場合、慌てずにゆっくり両腕を上げて振り、穏やかに話かけながら、クマとの間に立ち木などが来るように、静かに移動するのが良いとのこと。

もしこれらの行動を取ってもクマが立ち去らない場合は、子グマやシカの死体など、立ち去らない理由がないか付近を観察し、急な動きは避けてゆっくりと離れよう。

いつまでも動かずにいると、敵対行動と受け取られる可能性があるという。

もし20メートル以内でクマと遭遇してしまった場合は、静かに落ち着くことが大切だ。突発的に走って逃げる、大声でわめくといった行動をとるとクマが怯えて攻撃してくる可能性がある。

50メートル離れていた時と同様に、ゆっくり両腕をあげて振り、穏やかに話しかける。そばに障害物があれば、クマとの間に障害物を置く位置関係に静かに移動するのも良いという。

クマが突進して来たら...

最後に、クマが突進してきた場合。これには本当に突進してくる場合と、突進の途中で止まり、激しく地面を叩くなどした後に後退する「威嚇突進行動」の2パターンがある。そして、多くは威嚇突進行動だという。

走って向かってくる時点ではどちらか分からないが、威嚇突進行動だった場合は、こちらも穏やかに声をかけながら、クマとの間に障害物を置くようにゆっくり後退するのが良いそうだ。それでも近づいてくる場合は車内や屋内などに退避すべきとのこと。

逃げ場がなく、逃げ切れそうになければ強気な対応が必要。倒木や石の上に立ち、自分を大きく見せ、大きな声と音を立てて威嚇するのが効果的だという。クマ撃退スプレーを持っていれば噴射の準備、その他、棒など武器になりそうなものがあれば手に取っておこう。

途中で止まらない「本当の突進」だった場合、クマ撃退スプレーがあれば、有効射程距離である3～4メートルに迫った時点でクマの目と鼻をめがけて一気に全量を噴射する。クマ撃退スプレーがない場合は、その場に倒れ込んで、「防御姿勢」を取る必要がある。うつ伏せになって顔と腹部を守り、首の後ろは手を回して保護する体勢だ。バックパックを背負っている場合は、それがプロテクターになる。転がされてもその勢いで元の姿勢に戻ろう。

クマに遭遇してしまった場合でも、落ち着いてこれらの行動を取ればあなたの命を守ってくれるかもしれない。

参考：知床財団「ヒグマ対処法：出会った時は」