もしや「名前論争」を避けるために...? 商品名を一切記載しない「あの和菓子」のポスター話題
「くっ。新店舗がコレをなんて呼ぶのかわくわくしてポスター読んだけど、戦争を恐れてか具体名が書いてない!」
そんな呟きと共に投稿されたポスターが、ツイッター(X)上で話題になっている。何のことかサッパリわからないと思うので、とりあえず実物をご覧いただこう。
こちらは、ツイッターユーザーのかつらぎ(@s_katsuragi)さんが2023年7月21日に投稿した画像だ。ポスターによれば、自家製のつぶあんを使ったお菓子のお店「十勝 紫あん」が新しくオープンするとのこと。
そして中央には代表商品と思われる「あの和菓子」の写真が掲載されているのだが......紹介文は餡のことばっかりで、肝心の商品名はどこにも記載されていない。
皆さんご存じの通り、この和菓子、地域によって異なる名前で愛されている。どう呼ぶかはかなりデリケートな問題でネット上でもしばしば論争が勃発している。実際、ツイートに対してはこんな声が。
「今川焼きしか勝たん!」
「回転焼、誰がなんと言おうと回転焼」
「なんでや!! ベイクドモチョチョで統一されたやろ」
「十勝のあずきを使用しているものはすべておやきと呼ぶと決まってるのです」
もしかして、こうした争いを回避するために、ポスターはあえて商品名に言及していないのか......?
「『大判焼き』だと一番しっくりくる」
Jタウンネット記者は21日、まずは投稿者のかつらぎさんに話を聞いた。かつらぎさんがポスターを発見したのは同日の11時ごろ。場所はイオン稲毛店(千葉県千葉市)地下にある店舗予定地前だ。どの名称で売るのか興味があって確認したところ、記載がなくてびっくりしたという。
ちなみに、どの名称だったら嬉しいかを聞いてみると、かつらぎさんは
「最初に接した時の名称が大判焼きなので、『大判焼き』が愛着があって一番しっくりきます」
とコメントした。
では、実際に店舗側はどんな名称で売り出す予定なのか。記者は27日、イオンイーハート(本部:千葉県千葉市)に話を聞いた。
取材に応じた広報担当者は、商品名についてズバリこう答えた。
「大判焼です」
ちゃんと決まっていた。「十勝 紫あん」で売られるのは「大判焼」だった。
では、どうしてポスターには商品名を記載しなかったのか? 記者が改めて聞くと、広報担当者は
「『紫あん』は自家製つぶあんにこだわった新業態で、自家製つぶあんを中心に商品展開をしております。オープン告知ポスターには代表商品として大判焼を掲載しましたが、それだけのお店ではないため、あえて商品名については記載しませんでした」
と経緯を説明した。
現在販売が予定されているのは、「大判焼つぶあん」「大判焼あんバター」の2種類の大判焼。そのほか、「手包みおはぎ」や「飲むつぶあん『あんあん』」といった、自家製つぶあんを使用した商品を計14種類用意しているという。
郷に入っては郷に従え、という言葉がある。イオン稲毛店の「紫あん」を訪れた際は、自分のこだわりは一旦脇に置いて、みんなで仲良く「大判焼」やつぶあんメニューを頬張ることにしよう。