「ゾウの食べ残し」無料配布するゾウ! 夏休みのキャンプに「ゾウ薪」使ってみるのはいかが?
「ゾウ薪つかいませんか?」
2023年7月、ツイッター上でそんな呼びかけが投稿された。
こちらは、北海道札幌市の円山動物園が、2023年7月20日にツイッター公式アカウント(@marudou_fan)に投稿した画像。
「ゾウが食べ残した枝を薪として配布します!」
と書かれている。ゾウの食べ残しを活用するとは画期的な試みだ。
一体どんな経緯で「ゾウの食べ残しを薪にしよう!」と思いついたのだろうか。Jタウンネット記者は25日、円山動物園を取材した。
太い幹は食べ残してしまう
飼育展示・診療担当課の野村友美さんによると、同園ではアジアゾウの餌の質の向上などを目的に、公園や森などで剪定・伐採された木の枝等を提供してもらい、それをゾウに与えている。
「しかし、ゾウが主に食べるのは樹皮や細い枝の部分で、太い幹は残ってしまいます。そこで、食べ残した枝等を廃棄するのではなく有効活用するために、ゾウが食べ残した枝をキャンプ等の際の薪として使用していただける方への配布を実施することとしました」(野村さん)
昨年度も同じイベントを実施し、3日間で計100人ほどの来場者が「ゾウ薪」を引き取りに来たという。
「『ゾウってこんなふうに枝を食べるんだ!』と驚かれる方が多く、ゾウ薪を通してゾウについて知ってもらったり、興味を持ってもらったりすることができているのかなと思います」(野村さん)
希望者は直接会場に足を運び、持参した箱や袋に詰めて持ち帰るシステム。なお、枝を切ったり加工したりといった詰込み以外の作業は、園内では禁止となっている。
また、配布する枝はゾウの食べ残しであり、ゾウの唾液や糞尿などの汚れ、砂が付着していることがあるため、「あくまで燃料としての使用に限る」とのことだ。
近々キャンプなどに行く予定がある人は、動物園を楽しむついでに薪を調達するのもいいかもしれない。
イベント開催日は7月23日、29日、30日の3日で、いずれも時間は11時30分~14時30分。配布は無料だが、別途入園料がかかる。