「川崎のソウルフード」が鬼と化す!? 激辛カップ麺界に現れたニューフェイス「鬼辛まぜタン」がヤバかった
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百五回 サンヨー食品「元祖ニュータンタンメン本舗監修 鬼辛まぜタン」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百五回目となる今回は、サンヨー食品の「元祖ニュータンタンメン本舗監修 鬼辛まぜタン」をレビューします。
川崎に本店があり、主に神奈川県や東京都を中心に40軒以上の店舗を展開する「元祖ニュータンタンメン本舗」監修の、カップ麺オリジナルメニュー。真っ赤なパッケージでいかにも辛そうです。
川崎のソウルフード「元祖ニュータンタンメン本舗」
「元祖ニュータンタンメン本舗」の看板メニューである「タンタンメン」は、川崎のソウルフードとして知られています。
練りごまを用いた一般的な担々麺とは異なり、豚ガラや鶏ガラが主体の昔ながらのあっさり塩味スープに、かきたまや唐辛子を加えた独自性の高い担々麺です。
「タンタンメン」の味はカップ麺や袋麺で再現されており、サンヨー食品のレギュラー商品として定着。2019年の発売以来、これまでに何度もリニューアルされ、麺やスープが改良されてきました。
お店の「タンタンメン」は辛さを5段階から選べますが、カップ麺や袋麺では基本的にピリ辛程度のおとなしい刺激に留まっており、人を選ばず食べやすい味となっています。
しかし、今回の商品は、「鬼辛まぜタン」とのことで、お店のメニュー「まぜタン」の辛味を「鬼辛」にパワーアップさせたカップ麺限定メニュー。
「鬼辛」は以前、期間限定で「タンタンメン」の5段階のさらに上の辛さとしてお店で供されていたことがありました。
お店では、「ニュータンタンメン」の他に、つけ麺バージョンの「つけタンタン」や、まぜそばバージョンの「まぜタン」があり、「まぜタン」も以前にカップ麺で再現されています。
いつもは「昔ながらなやさしい味わい」だけど...
「元祖ニュータンタンメン本舗監修 鬼辛まぜタン」の内容物を見ていくと、別添袋は2つ、カップには麺のみ入っています。
別添の「特製調味だれ」と「あとのせかやく」は、いずれも湯戻し調理後に入れるタイプ。麺量は100グラムで、「UFO」や「一平ちゃん」などの普通サイズと同じ麺量です。
豚ガラや鶏ガラベースにニンニクや辛味を加えた塩味のたれに、中細ストレートの油揚げ麺と、唐辛子やかきたまの入った後のせの具が合わせられています。
豚ガラ主体の塩味のたれは、ベース部分こそ「ニュータンタンメン」の昔ながらなやさしい味わいの雰囲気が感じられますが、豚脂やニンニクが強く感じられる、まぜそばらしいパワフルな仕様。
「ニュータンタンメン」はあっさり味なのに対し、「まぜたん」はそれなりに濃厚こってり味となっています。
中本、辛辛魚よりも強力!?
麺は、中細でストレート形状の油揚げ麺。
サンヨー食品の汁なしタイプの商品でよく見るタイプの麺に見えますが、形状やもちもちした食感はお店の「まぜタン」の特徴をよく捉えていました。
そして最大の特徴は何と言ってもその辛さ。激辛です。
「鬼辛」でパッケージも真っ赤なので、もちろん警戒して食べるとは思いますが、いつもの「ニュータンタンメン」と同じつもりで食べると、まったく別次元の辛さに驚くのではないでしょうか。
筆者も食べ初めは余裕で食べ進められたものの、後半になると舌の痛みがどんどんすごいことになっていきました。
辛さだけなら、激辛カップ麺の名作と名高いセブンの「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」や、寿がきや食品の「井の庄監修 辛辛魚」よりも強力です。
大量の唐辛子を後乗せ!
後のせの具として、大量の唐辛子とかきたまが入っています。
たれだけでも十分辛いので、唐辛子によってさらに大幅に辛さが増している印象はありませんが、辛味とは違う唐辛子の香ばしい風味が感じられ、たれの辛さをより立体的なものにしていました。
かきたまも、いつもの「ニュータンタンメン」のカップ麺と比べて十分な量入っているようです。
ただ、後のせの具なのでスープを吸って膨張するわけではないため、どうしてもボリューム感に欠け、かきたまらしいふわふわの食感もありませんでした。
唐辛子とかきたまを両者同梱で後のせ具にするのではなく、かきたまを別袋にして先入れ具にすると、お湯を吸って膨らんで良さそうですが......そうすると今度は湯切りの際にお湯と一緒に大量に逃げ出していきそうなので、難しいですね。
「元祖ニュータンタンメン」の今後のカップ麺にも期待
いつもの「元祖ニュータンタンメン」カップ麺はやさしい味、懐かしい味が特徴的ですが、今回の「鬼辛まぜタン」はカップ麺トップレベルの辛さに悶絶する一杯。
これまでの魅力に加え、激辛という新たな武器を携えた「元祖ニュータンタンメン本舗」は、今後カップ麺業界でさらに大きな勢力になっていきそうです。