「みんなが迷惑 川崎市」 経年劣化のせいで生まれてしまった「トンデモ市民標語」が強烈すぎる
赤いインクは、紫外線で退色しやすい。Jタウンネットの愛読者の皆さんは、全国各地にある「経年劣化で意味が変わってしまった看板」のことをご存じだろう。
神奈川県川崎市に掲げられた横断幕も、そんな経緯でかなり強烈な存在になってしまっているらしい。
こちらはツイッターユーザーのたっしゅ/多趣味な学生(@kbm_N1)さんが、2023年2月19日に投稿した写真だ。川崎市多摩区の新開橋付近で見つけた横断幕にはこんな言葉が書かれている。
「みんなが迷惑
川崎市」
川崎市民のキャッチフレーズのような感じで、かなりひどいことを言っている。まるで、川崎に住む人々みんなが迷惑な存在であるかのように......。
はたして、この横断幕は何なのだろうか。Jタウンネット記者はGoogleストリートビューで過去にさかのぼってみることにした。
同じものを見つけたら市に連絡を!
投稿者・たっしゅさんによると「消えた赤字部分は、現地でも読み取りは難しいものでした」。
ストリートビューを見てみると、この場所は2009年8月から2022年5月までに、計6回の撮影が行われたらしい。19年~22年の写真では文字はすでに消えてしまっていて、09年はまだ横断幕が設置されていなかったようだが、15年5月時点の写真では、消える前の言葉がはっきり確認できた。
「みんなが迷惑
ポイ捨て 路上喫煙
川崎市」
横断幕はポイ捨てや路上喫煙に対する注意喚起のものだったのだ。
この横断幕が「みんなが迷惑 川崎市」になることはたっしゅさんが撮影した場所以外でも目撃されており、ツイッター上にも目撃情報がちらほら。
いまや、本来のメッセージは誰にも伝わらなくなってしまっているが、ずっとそのままなのだろうか。
2月21日、Jタウンネット記者が川崎市市民文化局市民生活部地域安全推進課の担当者に話を聞くと、この横断幕はポイ捨てや路上喫煙に関する苦情があった場所に設置したり、個人に渡したりしていたもの。苦情件数が多いため、横断幕がどこにあるのかは市でも把握していないそう。
なので交換するためには「市民からの連絡」が必要だ。地域安全推進課の担当者は
「もし同じような状態の横断幕があれば市に連絡してほしい」
と呼びかけた。