「沖縄で道案内してくれた地元民が、別れ際に発した『謎の言葉』。後日、テレビを見ていたらその意味が発覚し...」(愛知県・50代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Tさん(愛知県・50代男性)
およそ30年前のある日、Tさんは恋人と一緒に沖縄に訪れた。
初めての国内飛行機旅行。ディナーには有名なステーキハウスを予約していたのだが、途中で迷子になってしまい......。
<Tさんの体験談>
もう30数年前の話になります。恋人(現在の妻)と初めての国内飛行機旅行で、沖縄に行くことになりました。
ワクワクしながら降り立った空港。事前に行きたい場所をチェックしていたのですが、購入していたガイドブックでは住所しかわかりません。
ディナーの予約をしていた店にどうやって行けばいいのかわからないまま、私たちは散策を始めました。
「これはかなり遠くまで来ましたね~」
目的地は沖縄の有名なステーキ屋さん、ジャツキーステーキ。そんなに時間がかかる場所ではないはずでした。
しかし、しばらくして道に迷ってしまったのです。
道はどんどん狭くなり、元の場所に戻ることもできなくなり、途方に暮れる私たち。
その時、近くの民家の男性から声をかけられました。50歳くらいだと思います。
私はその方にガイドマップを見せて、ジャッキーステーキに行きたいのだと伝えました。
すると「これはかなり遠くまで来ましたね~」。この場所からはバスもタクシーも無さそうなので、仕方なく帰り道を聞くことにしたのですが......。
明らかに嘘だったけど...
「車で送るから乗りなさい」
その方は私たちにそう言ってくださったんです。
「どうせ買い物に行くところだから」とおっしゃっていましたが、たぶん嘘だったのだと思います。だってその人は肌着姿でしたから。
その方のお連れ合いも一緒に、4人で車に乗りました。沖縄水産高校が夏の甲子園で初めて準優勝した年だったので、車の中では「惜しかったですね~」なんて話をしたり(準優勝だったことで「また次の楽しみが増えた」とおっしゃっていました)、今から行くお店でのおすすめメニューを教えてもらったり、ご夫婦で気さくに話してくださって、道に迷ってしまったことは忘れるほどでした。
しばらくして目的地に近付き、一方通行の道の前で下ろしてもらうことに。その時にお礼しようと財布を取り出したのですが、「沖縄を楽しんで」とお金は受け取っていただけませんでした。
さらに、ドアを閉める前に方言で何かを言われたのですが......私も恋人もその言葉の意味が分かりませんでした。
とにかくその後、ステーキハウスに到着。物凄く美味しくて、後に移転したのですが現在でも沖縄に来たら必ず家族で行っています。
「謎の言葉」の意味が判明
そして、別れ際に言われた言葉ですが、後にその意味が判明しました。
ゴルフの宮里藍選手がその言葉を使っているところが、テレビで流れたのです。
「なんくるないさ~」
お礼をしようとする私たちに「気にしなくていいよ」と伝えてくださろうとしていたのでしょう。
そうか、あの方は私たちにこの言葉を言って送り出してくれたのか、と感動しました。
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