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「行方がわからなくなるお客様がおります」 太宰治記念館に貼られた「警告」が不穏すぎる

松葉 純一

松葉 純一

2022.12.20 08:00
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地元の人間でも、一瞬方向感覚を失うほど......?

投稿者・故野チョビさんは太宰作品をよく読み、とくにエッセイや私小説、日記などが好きだという。斜陽館には、22年5月のゴールデンウィークに行った東北旅行の途中で訪れた。

「一見普通の注意書きだったのですが、『行方がわからなくなる』という文章がなんとなく気になりました。迷子なら『迷われるお客様』で済みますし、なんでこんなふうに書いたのかな...と」(故野チョビさん)

この貼り紙の謎は、故野さんには解けなかったという。

そこで、Jタウンネット記者が五所川原市の教育委員会を取材すると、社会教育課文化係の担当者が、12月16日、次のように答えた。

「過去に団体で入館された来館者がそのドアから外出し、集合時間に戻ってこられないという事態が頻発したことなどの理由から、当該張り紙の掲出にいたりました」(五所川原市教育委員会担当者)

太宰治記念館 「斜陽館」という建物は、太宰の父である津島源右衛門が、1907年に建てた。

大地主だった彼が作ったのは、付属の建物や庭園なども合わせて、宅地約2200平方メートル(約680坪)という広大な豪邸だ。地元の人間でも、一瞬方向感覚を失うほど、おそろしく大きな屋敷だという。

斜陽館(photoACより)
斜陽館(photoACより)

そんな場所であるから、観光バスで見学に来た団体客が、迷子になって、集合時間に間に合わなくなった、ということもあった。そこで見学ルートから外れることがないよう、注意喚起のために掲示された警告文というわけだ。

ツイッターには、「この先に恥の多い生涯が...?」「玉川上水に繋がってたりして...」といった声もあったようだが......そんなことはない。 だが見学者は、バスの集合時間に遅れて、「人間失格」などと言われないよう、くれぐれもご注意を。

なお、観光バス以外の観光客には、津軽鉄道の利用がお勧めとのこと。ストーブ列車で訪ねる太宰治記念館、これは格別かもしれない。

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