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まさに黄金の色 「ジャパンゴールド」に輝く夜の「三渓園」ライトアップが神秘的

福田 週人

福田 週人

2022.12.04 19:00
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「三渓園(さんけいえん)」、という場所をご存じだろうか。

全域が国の名勝に指定されている、横浜市にある日本庭園だ。

明治末期~大正時代にかけて製糸・生糸貿易で財をなした実業家・原三渓が開園したもので、園内には京都や鎌倉などから集められた、国指定重要文化財建造物10棟を含む17棟の歴史的建造物が配置されている。

国指定名勝、三渓園(画像は公式サイトより)
国指定名勝、三渓園(画像は公式サイトより)

同園が完成したのは1922年。ちょうど100周年ということで、記念のライトアップイベントが2022年11月23日~12月11日の期間に行われている。

普段は17時閉園だが、期間中は夜の様子を見られて、しかもライトアップもされている。

あの美しい庭園が、夜はどんな姿を見せるのだろう。気になった記者は2022年11月25日の日没後、同園に行ってみることにした。

闇夜に輝く大イチョウ

訪問にあたって、記者は事前にイベントについて三溪園保勝会事業課の岩本美津子さんに話を聞いていた。岩本さんによると、園内のライトアップは今回が初めてではなく、直近では1年前にも行っている。

「新型コロナウイルス感染予防にも配慮して、開園時間を延長して入園者を昼と夜に分散させることで混雑を避けてゆっくりと紅葉をお楽しみいただきたいとの思いから、昨年12年ぶりに紅葉ライトアップを実施しました」(岩本さん)

その結果、来園者から「ゆったりと紅葉を楽しめた」「ライトアップが良かった」と好評だったため、2022年も引き続き開催することにしたそうだ。

三渓園入り口の提灯(画像は記者撮影)
三渓園入り口の提灯(画像は記者撮影)

加えて、完成100周年を記念した今回のイベントならではのライトアップもあるそうなので、記者は岩本さんに特に見どころだと思うスポットをいくつか教えてもらった。その1つ目が、内苑エリアにある大きなイチョウの木だ。

まるでイチョウの屋根だ(画像は記者撮影)
まるでイチョウの屋根だ(画像は記者撮影)

見上げるほどの大きさのこのイチョウは、かつて原家が私庭として使用していた内苑エリアにある「旧天瑞寺寿塔覆堂(きゅうてんずいじじゅとうおおいどう)」の裏手にそびえ立っている。

神々しい大イチョウ。写真右の建物が重要文化財の「旧天瑞寺寿塔覆堂」(画像は記者撮影)
神々しい大イチョウ。写真右の建物が重要文化財の「旧天瑞寺寿塔覆堂」(画像は記者撮影)

夜の闇の中でぼんやりと照らされたイチョウの葉っぱは、まるで一枚一枚が小判であるかのように輝いていた。

滝と小川のせせらぎに癒される

2か所めのおすすめスポットは、1906年に一般に向けて公開された外苑エリアにある、「旧矢箆原家住宅 (きゅうやのはらけじゅうたく)」近くの滝だ。

水墨画みたいな光景だ(画像は記者撮影)
水墨画みたいな光景だ(画像は記者撮影)

外苑エリアの南から北へと流れる小川を遡るように進んだ端に、ひっそりと隠れるようにして流れている小滝。

まだ緑色が目立つ林や苔むした岩に囲まれながら流れている姿がなんとも風流だ。この滝から流れた水が、外苑の小川を通って庭園内で一番大きな池「大池」へと流れ出ている。

静かな水音で心が洗われる(画像は記者撮影)
静かな水音で心が洗われる(画像は記者撮影)

ちなみに庭園内には3軒の茶店があり、中でもこの滝の近くにある「待春軒」では、実業家であると同時に茶人でもあった三渓が考案したという「三渓そば」という名物料理も提供されている。

散策中にお腹が空いたら、自然豊かな外苑の風景を眺めながら食べてみるのも良いかもしれない。

黄金色に輝く「三渓園のシンボル」

最後のおすすめスポットは、三渓園のシンボルにしてライトアップイベントの目玉とも言える、「旧燈明寺三重塔 (きゅうとうみょうじさんじゅうのとう)」だ。

重要文化財で三渓園のシンボル、「旧燈明寺三重塔」(画像は記者撮影)
重要文化財で三渓園のシンボル、「旧燈明寺三重塔」(画像は記者撮影)

外苑の小高い丘の上に立っているこの塔は、室町時代の1457年に建てられた、園内で最も古い建築物。1914年に現在の燈明寺(京都府木津川市)から移築されて以降、三溪園を象徴する存在になった。

ライトアップによって、木造建築ながらまるで黄金で出来ているかのようにも見える色味は、公式サイト上で「ジャパンゴールド」と称されている。

「煌びやか」の一言に尽きる(画像は記者撮影)
「煌びやか」の一言に尽きる(画像は記者撮影)

岩本さんによると、イベント期間中は夜間に三重塔まで歩いて行ける散策コースを開放。同スポットを夜に間近で観覧できるのは初めてのことだそうだ。

横浜駅からはバスで40分ほどと少し遠いが、横浜に観光に来た際には足を運んでみてはいかがだろうか。ライトアップイベントの期間は22年11月23日~12月11日(金・土・日・祝日限定)。観覧時間は日没から19時30分(最終入園19時)で、入園料は700円(小・中学生は200円)だ。

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