薄暗い曇天、一斉に飛び立つ鳥の群れ... 早朝の松本城が完全に「魔王の城」だった件
2022.11.14 08:00
ある程度狙ってはいたけれど...
原さんが松本を訪れたのは5日。紅葉が綺麗な場所があると聞き、急きょ予定を決めたという。そのため、他に行くところもなく6日の早朝も城を見に松本城公園へ行った。そして、その光景に出会った。
「5日の午後に訪れた際には水面は風で波打っており、綺麗な反射は見れず、また鳥もあまり多くは飛んでいませんでした。
6日は前日とは打って変わって水面が穏やかで鏡のように反射していました。たまたま風が凪いでいた、というのと、どうやらカラスたちはトンビが飛んできたときなどに一斉に飛び立っていたようなので、ちょうど運がよかったのかな?」(原さん)
鳥たちが飛び出してきた瞬間、原さんは「これだ!」と思ってシャッターを切ったという。1度では成功しなかった。最初はシャッタースピードを遅くして撮ろうとしていたのだが、鳥たちが飛びかっていることでブレてしまったのだ。そこで原さんはシャッタースピードの設定を変えて再挑戦した。
「また、暗い中に日が昇るタイミングは明暗の差が激しく、白飛び、黒潰れがしてしまいやすいので、お城のディテールがしっかり残るよう気をつけながら撮影、現像をしました」(原さん)
試行錯誤を経て生み出された、印象的な一枚。記者が改めて原さんにその光景を目の当たりにしたときのことを聞くと、
「松本城天守は国宝に指定されるだけあって、圧巻の貫禄でした。また、日中だけでなく早朝などに訪れることでまた違った顔が見られるので、そういった楽しみ方が出来るのも素敵だなと感じました」
と振り返った。