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「芋煮」のカップ麺とはこれ如何に? 牛肉×醤油味の東北限定うどんの味わいとは

オサーン

オサーン

2022.11.06 11:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第九十四回 山形グルメを満喫できるカップ麺「芋煮うどん」と「ワンタンメンの満月」

文・写真:オサーン

「芋煮うどん」と「ワンタンメンの満月」のカップ麺
「芋煮うどん」と「ワンタンメンの満月」のカップ麺

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第九十四回目となる今回は、山形で愛される2つの味「芋煮」と「酒田ラーメン」をそれぞれ再現したカップ麺を、2本立てでレビューします。

山形の食文化は、伝統的な郷土料理が多いことに加え、そばやうどん、そしてラーメンといった麺料理も愛されているのが特徴です。

今回紹介するカップ麺2品を食べれば、山形の食文化の特徴である郷土料理と麺料理を両方楽しむことができます。

山形名物「芋煮」を再現! 東洋水産「芋煮うどん」

東洋水産「芋煮うどん」
東洋水産「芋煮うどん」

まずは東洋水産の「芋煮うどん」から食べていきます。

東洋水産の看板ブランドのひとつ「赤いきつねと緑のたぬき」の商品で、東北地方のみで期間限定で売られています。

再現されたのは、山形を中心に東北地方で食べられるご当地料理「芋煮」の味。

2005年から長らくの間、「芋煮うどん」は日清食品の「どん兵衛」ブランドから出ていましたが、2020年からは東洋水産が引き継ぐ形になっています。

山形の芋煮の味を再現
山形の芋煮の味を再現

他地方の人からすると、芋煮といえば豚汁の一種というか、寒い時に食べる炊き出し的なイメージが強い気がしますが、東北地方では夏の炎天下でも野外でBBQなどと同時に、もしくは同じノリで楽しむのが恒例です。

ひと口に芋煮と言っても、具材や味つけは地域によって様々。

山形県内でも、牛肉×醤油味が主流の地域(内陸)、豚肉×味噌味が主流の地域(庄内)と大きく二つに分かれており、さらに細かく分けることもできます。

今回のカップ麺で再現されているのは山形・村山地方の主流である牛肉を使った醤油味。

ちなみに、ニュース等でも紹介される、クレーンで吊るした大鍋を使って芋煮を作る「日本一の芋煮フェスティバル」が行われるのは、村山地方の中心都市である山形市です。

ちゃんと「牛肉」が入ってる!

芋煮の〆にうどんを入れたイメージ?
芋煮の〆にうどんを入れたイメージ?

うどんは太めで縮れのついた油揚げ麺。「赤いきつねうどん」などで使われているのと同タイプの縮れが強い油揚げ麺のうどんで、ほぼストレート形状のライバル「どん兵衛」に比べるとカップ麺らしい姿です。

山形の芋煮では、〆としてカレーうどんやチーズリゾットなども楽しまれているようですが、今回はシンプルにうどんで〆るようなイメージでしょうか。

醤油味の甘めのつゆ
醤油味の甘めのつゆ

醤油で黒っぽいつゆはいかにも東日本風ですが、見た目ほど塩辛さや醤油の香りは強くなく、少し甘みが感じられます。

甘みに加えてほのかに魚介だしが香ることから、ちょっとそばつゆらしさもありました。

里芋や牛肉が入っている
里芋や牛肉が入っている

具として入っている里芋は特有の粘りみたいなものはあまりなかったものの、じゃがいもとは明らかに違うほくほく食感を楽しめます。

そして、牛肉が入っているのも特徴。

最近はすき焼き風のカップ麺でも牛肉ではなくて牛肉を模した大豆ビーフが入っている場合が多い中で、村山地方の特徴を踏まえてしっかり牛肉を使っているのは好感が持てました。

酒田ラーメンの名店の味を再現! エースコック「ワンタンメンの満月 魚介だし醤油味」

エースコック「ワンタンメンの満月 魚介だし醤油味」
エースコック「ワンタンメンの満月 魚介だし醤油味」

続いては、エースコックの「ワンタンメンの満月 魚介だし醤油味」。先ほどの「芋煮うどん」は山形・村山地方の味を再現していたのに対し、こちら「ワンタンメンの満月」は山形・庄内地方にある酒田市の人気ラーメン店の再現です。

山形県には、「山形ラーメン」を始め、「赤湯ラーメン」、「米沢ラーメン」、「新庄とりもつラーメン」、「冷やしラーメン」、「鳥中華(鳥中華再現麺の食レポはこちらから)」などご当地ラーメンが豊富。

「酒田ラーメン」も山形のご当地ラーメンとして広く知られています。魚介風味のあっさり醤油味スープや自家製の縮れ麺、そして薄皮のワンタンが入っていることが多いのも特徴です。

魚介強めのあっさり醤油味
魚介強めのあっさり醤油味

鶏ガラベースの醤油味のスープに、煮干し粉末などで魚介の風味を効かせています。山形のラーメンは「中華そば」と呼ばれることが多いそうですが、確かに中華蕎麦らしい昔懐かしさがあります。

魚介がやや強めでパンチがあるものの、醤油や鶏ガラはおとなしく、全体的に上品な味わい。油もほとんど浮いておらず、塩気も強くありません。

そのため、カップ麺らしからぬヘルシーさであり、繊細なだしでも相対的に十分に威力を発揮していました。

安価品とは一線を画すワンタン

つるみがあるノンフライ麺
つるみがあるノンフライ麺

麺は中細で縮れのついたノンフライ麺。麺表面につるみのある多加水麺食感で、細いので弾力はそれほどなく主張はおとなしめ。

そのため、繊細なスープと合わせてもしっかり引き立てていました。

縮れ麺でスープのりが良いことも、繊細なスープとのバランスを良くしています。まるであっさりスープと合わせるために生まれてきたかのような麺でした。

ワンタンが6個も!
ワンタンが6個も!

具として入っているのは、ワンタン、メンマ、ネギ。概ね「酒田ラーメン」の特徴を踏まえたものになっています。

チャーシューはありませんが、ワンタンは6個も入っていて大ボリューム。

安価なカップ麺やカップスープでもワンタンが用いられていることはありますが、皮がやたら多くて餡があまり入っていないことが多いのに対し、今回のワンタンは薄皮で中身の餡もしっかり入っていて、安価品とは明らかに別物でした。

ただ、「酒田ラーメン」は麺量が多いことも特徴。この商品の麺量は65グラムで多くもなく少なくもなくですが、高額な商品(定価税別280円)であることも踏まえると、ワンタンが入っているとは言え、この量だとちょっと物足りないと感じるかもしれません。

カップ麺で山形旅行気分に

今回レビューした、山形県のご当地料理の代表「芋煮」や、県内の名店「ワンタンの満月」の味を再現したカップ麺を食べれば、山形旅行に行った気分になれること請け合いです。

ただ山形には他にも、米沢牛、板そば、だだちゃ豆、玉こんにゃく、ひっぱりうどんなどなど、ご当地グルメの層が分厚いため、やはり実際に訪れなければ食べ切れないですね。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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