ハチャメチャすぎんか? 「関西限定の東京ばな奈」は、なぜ爆誕してしまったのか
東京から地方に持っていく手土産を選ぶとき、必ずと言っていいほど選択肢に入るお菓子がある。「東京ばな奈」だ。
1991年に誕生した同商品は、今やすっかり東京土産として定着。柔らかいスポンジケーキとバナナのクリームの絶妙なハーモニーの虜になった人も多いだろう。
「東京ばな奈」という名前の通り、販売されているのは基本的に東京都内。しかし......最近は意外な地域でも販売されているらしい。
こちらはツイッターユーザーの卑屈な奈良県民bot(@nntnarabot)さんが、2022年10月9日に投稿した「東京ばな奈ミニオン」の売り場を写した1枚。この写真を撮影したのは都内ではなく、なんと大阪駅のお土産店だという。
実は、東京ばな奈と人気キャラクター・ミニオンがコラボした「東京ばな奈ミニオン」は関西限定販売の商品。写真の売り場のパネルにもしっかり「関西限定」と書かれている。
卑屈な奈良県民botさんの投稿はツイッターで注目され、こんな声が寄せられている。
「そんなバナナ!」
「東京に行ってきたと偽装するための画期的アイテムですね!!!」
「ほら、元々こちらが都だから」
どうして「東京ばな奈」に、関西限定商品なんかを作ったのか......。Jタウンネット記者は10月13日、同商品の製造・販売を手がけるグレープストーン(東京都中央区)を取材した。
「関西地方で楽しい企画を......」
広報担当者によると、同社では以前から外国人観光客向けに通常の「東京ばな奈」を関西国際空港の免税店で常時販売している。また、2020年7月にはコロナ禍で「東京に行きたくても行けない」人のために、大阪の阪急うめだ本店で出張販売をしたこともあるそうだ。
決して無縁ではない関西の地で、グレープストーンにはある野望があった。
「1度だけでもいいから、関西地方で楽しい企画を作ってみたいと考えていました」(広報担当者)
検討を重ねるなかでたどり着いたのが、バナナとイタズラが好きなキャラクター「ミニオン」の起用だった。
「東京のイメージがある『東京ばな奈』から関西限定の商品を発売するハチャメチャっぷりも、ミニオンとならきっと上手くいく」
そんな展望の元、Universal Studios Licensing LLC(ユニバーサル・スタジオ・ライセンシングLLC)との商品化契約に基づき、「関西限定の東京ばな奈」という禁断の商品が誕生したのだ。
「東京ばな奈ミニオン」は、表面にミニオンたちの顔がデザインされているだけでなく、バナナ好きの彼らのために「バナナ20%アップ」。通常よりもこってり濃厚なバナナカスタードになっているそう。
7月1日に発売すると10日間で20万個を販売するヒット商品に。10月13日時点で、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県内の一部の駅や空港、サービスエリア、商業施設の土産店など計86か所で販売されている。