窓から見えたら「違法」です! 道交法守らぬタクシーを「晒し上げる」看板が秀逸すぎると話題に
路上で違法停車をするタクシーをけん制する看板があると、ツイッターで話題になっている。
こちらは京都在住のサラリーマン「若草山に住むへーパイストス」(@Okuda_D_Orugu)さんが2022年10月10日に投稿した写真。
人の多い大通りに、何やら一部分に窓のようなものが設けられた看板が立っている。そしてそこには、
「この窓から見えるタクシーは、違法停車中です」
の文字が。どうやら、タクシー乗り場以外で違法に客待ちをするタクシーを通行人に「知らしめる」ためのもののようだ。画期的、かつパンチの利いた看板に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「インタフェースが秀逸」
「これは考え抜かれた案ですね」
「やっぱりルール違反はダメですね」
こんな看板を作るなんて、そんなに違法停車が多い場所なの? Jタウンネット記者は12日、まず投稿者のヘーパイストスさんに話を聞いた。
違法停車、ダメ、絶対
ヘーパイストスさんが話題の看板を発見したのは10日の昼頃。買い物をしに京都市の四条河原町を歩いていた時のことだという。
「どうやら数か月前からあったみたいですが、気づかなかったようで見るのは初めてです。看板は今はここだけのようですが、これによって悪名高い京都の運転マナーが改善してくれればなと思っています」(ヘーパイストスさん)
看板を設置したのは京都市役所の「都市計画局歩くまち京都推進室」。記者が14日、同室の職員にも話を聞いたところ、四条河原町の南東交差点に看板を設置したのは22年の2月中旬。
このあたりでは、一部のタクシーによる交差点内や横断歩道付近、駐停車禁止である四条通での客待ち停車が多発していた。これは道路交通法違反であり、近隣バス停におけるバス発着の妨害や、渋滞を発生させるなどの要因にもなっていたという。
そこで考案されたのが、「違法停車タクシーを知らしめる看板」というわけだ。
「当該看板は、人間の心理的な特性等を踏まえた工夫によって人々のより良い行動を促すナッジ(行動経済学)を活用して製作したもので、これによりタクシーの駐停車マナーの改善を目指しました」(担当者)
設置前後で効果測定を実施したところ、看板設置前に比べて、設置後では一日あたりの違法停車時間の合計が約9割も減少したとのこと。まだ一か所だけだが、現時点ではかなり効果があると言えそうだ。
この看板は今後、増えていくようなことがあるのだろうか? 担当者に尋ねると
「具体的に検討している場所はまだありませんが、同様の課題があり、かつ効果が出そうな場所があればさらに設置する可能性はあります」
とのこと。
この調子で、違法停車するタクシーがどんどん減少していくことを祈るばかりだ。