全く連鎖できないんだが? 青森県が作った「ぷよりんご」が難しすぎて撃沈した件
みなさんは覚えているだろうか。ツイッターで一世を風靡した、悪魔のように難しいあのクイズを。
そう、Webサイトの会員ページなどにログインする際によくある「画像認証」の、「青森県バージョン」である。9枚のリンゴの画像から「ふじ」をすべて選択するように指示が書かれているが......他県民には難しすぎる......。
2021年2月に青森県庁観光企画課の公式ツイッター「まるごと青森」が投稿したものだが、同アカウントが再び、我々の「リンゴ愛」を試す超高難度の試練を突きつけてきた。
それが、「ぷよりんご」。11月23日「ゲームの日」に、「まるごと青森」公式アカウントが投稿した自作のブラウザゲームである。
最大8種のリンゴが次々に上から落ちてくるので、同じ品種のリンゴでそろえて消すごとにスコアが増える、いわゆる「落ちゲー」なのだが......静止画でも難しかったリンゴの判別を、まさか高速で動くゲーム画面でやらなければならないとは......。
「まるごと青森」はいったいどこへ向かっているのだろう。Jタウンネット記者は24日、青森県庁観光企画課を取材した。
最大8種のリンゴを見分けろ!
取材に応じたのは、「ぷよりんご」を制作した「観光企画課SNS発信担当チーム」の職員。
ゲーム開発企業大手「セガ」(本社=品川区)が無料で提供しているプログラミング学習教材「ぷよぷよプログラミング」のサンプルコードを用いて「ぷよりんご」を作ったという。これはスマホ・パソコンのいずれでも無料でプレイできる。
難易度は「やさしい」「ふつう」「むずかしい」の3段階。各難易度で登場するリンゴの品種は、以下の通りだ。
「やさしい」...ふじ、世界一、ピンクむつ、ジョナゴールド(計4種)
「ふつう」...ふじ、世界一、ピンクむつ、ジョナゴールド、千雪(計5種)
「むずかしい」...ふじ、世界一、ピンクむつ、ジョナゴールド、千雪、紅玉、北斗、サンふじ(計8種)
「ぷよりんご」制作の経緯を尋ねると、職員はこう話した。
「(以前に投稿した、画像認証クイズの)第2弾というわけではないですが、青森のリンゴをPRしていこうというのは一貫しています。
それでどうやってPRするか考えていたときに、ツイッターで『ゲームの日』というものがあることを知りました。だったら、リンゴを使ったゲームを作ればいいんじゃないかと。
そうして、完成したものを11月23日のゲームの日に公開しました」
はたして、青森県民なら簡単にクリアできるのだろうか。
「(青森県庁の)職員はみんなもうプレイしたんですが、『むずかしい』でとった量(スコア)は400グラムぐらいの人が多かったです。これが好成績なのかはよくわからないですが......」(職員)
ぷよりんごでは、スコアにあたる「とった量」が画面の右下に表示されており、リンゴをそろえて消していくごとにどんどんこの数字が増えていく。
日々、青森産リンゴの広報に励む人たちのスコアが約400グラム。では、他県民なら?
見分けるポイントは色と柄、そして茎
というわけで、記者も挑戦してみることにした。
しかし、普段はRPGばかりやっていて「落ちゲー」はほとんど経験がない。不安に苛まれつつも、ここは差をわかりやすくするためあえて「むずかしい」に挑んだ。
は、速い......。特に真っ赤な「紅玉」以外はまったく見分けがつかず、どんどんリンゴが積みあがってしまう。
同じ品種のリンゴを最低4つそろえれば消えるのだが、1度しか消せないまま、リンゴは降り続け......。
悲しいことに、体感1分にも満たないうちにゲームオーバー。そんな記者のスコアは「240グラム」......職員の皆さんには遠く及ばず終わった。
悔しいので、プレイするときのコツを聞いてみた。
「正直、コツらしいコツはないというか......ひたすら色と柄をよく見て、覚えるしかないですね。あとは、茎の生え方で見分けられると言っている人もいました」(職員)
青森リンゴ博士への道は、はるかに遠いようだ。みなさんもぜひ「ぷよりんご」に当たって砕けてみてほしい。
ちなみに、「まるごと青森」のツイッターアカウントに投稿されているプレイ動画では、難易度「むずかしい」でなんととった量は13.7キロと、驚異的なスコアを叩き出している。これは、青森県庁職員ではなくプログラミングの専門家でゲームに長けた人がプレイした結果とのことだ。