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元気が良すぎるアワビ、魚屋のトレーから大脱走しようとする

松葉 純一

松葉 純一

2021.11.18 20:00
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北海道小樽市新富町にある南樽市場(なんたるいちば)は、古くから小樽市民の台所として知られている。鮮魚店をはじめとした新鮮で安い生鮮品、野菜、果物、肉、惣菜などを扱う、生活に密着した店舗が軒を並べ、威勢のいいかけ声が飛び交っている。

この南樽市場で代々続く老舗、阿蘇鮮魚店の公式ツイッターアカウント(@nantaru_aso)から、2021年11月15日、次のような写真が投稿され、話題となっている。

阿蘇鮮魚店公式アカウント(@nantaru_aso)のツイートより

小樽産アワビが1盛1389円(税込1500円)で販売されているようだが、1盛とは、はたして何匹だったのか? 1匹のもあれば、8匹ほど載っているものもある。まるで、バラバラだが......。

写真には「アワビ移動しすぎて訳分からない事になってる」というコメントが添えられている。どうやら活きが良すぎて、移動してしまったらしい。まるで、奥へ奥へと逃げだしているようにも見える。

このツイートには約4万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(11月18日現在)。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「アワビの大脱走」
「一盛りにずいぶんバラつきがwww」
「真ん中のトレーのあわびが嫌われててぼっち説」
「値札の向きから右上が安全だと判断しているのですね」
「奥から2つ目のトレーください」
「そのうち皿から1匹も居なくなるんじゃ......」

Jタウンネット記者は阿蘇鮮魚店に詳しい話を聞いてみた。

「元気なのは何よりです!」

阿蘇鮮魚店は、 終戦以前はリヤカーで市内を回って魚を売って歩いていた。

戦争から帰ってきた2代目がその後、1949年に数人で旧南樽市場を創立。69年には南樽市場の立て直しを行い、現在4代目が修行だという。

Jタウンネット記者の取材に応じたのは、公式アカウントの中の人だ。まずツイートした写真の状況を聞いた。

「撮影したのは、11月15日の9時半頃ですね。場所は当店(阿蘇鮮魚店)店頭です。この日は一盛り4~5匹でした。値段は税込1500円です」
「毎回活きは良いので、よくあることなんですが、今回は放置しすぎてこうなってしまいました。 元気なのは何よりです!」(阿蘇鮮魚店公式アカウントの中の人)

その、「移動しすぎるアワビ」はどうしたのか? と聞くと、

「盛り直しました。というより、毎回トレーに戻してますが、大体午前中で完売します。今回はその間売れてなかったのでこんなことになったというわけですね」(阿蘇鮮魚店公式アカウントの中の人)

酒好きの通な楽しみ方は...

アワビの販売状況について聞くと、「毎年こんな感じで例年と変わりません。例年通りですと年末に少し値段が上がると思います」ということだった。

秋は、アワビの他に、シャコがおすすめだ。小樽の前浜で捕れるシャコは大型で、オスの身がしまっているという。

小樽は、地元にビール、日本酒、ワインの工場があり、また隣り町の余市には有名なウイスキー工場もある。秋の蔵出しに合わせて市場でつまみを買うのが、酒好きの通な楽しみ方らしい。新酒のつまみに、アワビ、シャコとは......うらやましい。

阿蘇鮮魚店のウェブサイトより

温かい鍋を囲みたくなる冬は、タラ、アンコウ、カスベ、カジカなど、鍋に合う魚が店頭に並ぶという。

また、年末年始の料理のために、新鮮な食材を見にくる人で賑わうそう。

値段が上がる前に、活きの良い魚介類を選びに、小樽・南樽市場を訪れてはいかがだろう。

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