「息子を抱いた私を置いて、どんどん先に行く夫。2歳の娘が電車から降りられなくて泣いているのに...」(新潟県・30代女性)
幼い子供を連れてどこかに出かけるのは、大変だ。
近所のスーパーに行くだけでも何かと手がかかるのに、遠出ともなるとその苦労は計り知れない。
新潟県在住の読者・Sさん(30代女性)も、子供達を連れて東京へ行った際、予期せぬハプニングを体験したという。
3年ほど前。Sさんは兄の結婚式に出席するため、2歳の娘と3か月になる息子、そしてSさんの両親と、夫の6人で東京に向かった。
これだけ大人がいれば安心――かと思いきや、他の3人は子供達をSさんにまかせっきり。
目的の駅に着くと、息子を抱っこしたSさんと娘を置いて、先に行ってしまったという。
そんな状況で、娘が電車の中に座り込んでしまい......。
「手を引いて降りようとしても、娘は泣き叫んで...」
3年程前の話です。兄の結婚式のために両親、夫、子供2人(2歳娘、3か月息子)と東京へ行きました。
初めての東京、初めて間近で見る電車。2歳の娘は駅に到着し、電車を降りる直前になって、すぐ近くを通りすぎる急行電車の音やホームと電車の隙間が怖くなった様子。ドアの前で泣き出して座り込んで動かなくなってしまったのです。
にも関わらず、一緒にきていた両親も、夫も、先に降りてさっさと行ってしまい、息子を抱っこした私と娘だけ残された状態。
手を引いて降りようとしても、娘は泣き叫んで言うことを聞きません。
「次の駅まで行って乗り換えて戻ろうか」とも考えましたが、携帯電話や財布の入った鞄は夫が持っていってしまっていて、連絡が出来ません。このままでは結婚式にも、間に合わないかもしれない......。
さまざまな不安が頭をよぎり、どうしようか悩んでいるところに、発車のベルが鳴りました。
娘は電車の中、私は外。
「もうダメだ!抱き上げるのも乗るのも間に合わない!」
思わず諦めた、その瞬間のことです。
ドアが閉まる直前に
一人の男性が娘を抱き上げ、ぴょん!と電車から降りたのです。
まさに間一髪。ドアは、男性が降りた瞬間に閉まりました。
驚いて固まる私に、男性は笑顔で、こう話しかけてきました。
「お母さん、大変だね。赤ちゃんもいるのに」
そして泣いている娘に
「可愛い格好だね。東京は初めて?楽しんでいってね」
と優しく声をかけてくださいました。ドレス姿を褒められた娘は、嬉しさで笑顔に。
私は彼に助けてくださったことへの感謝を伝え、そして、途中で電車を降りさせてしまったことを謝罪しました。すると......
「急ぎじゃなかったから気にしなくていいよ。せっかく降りたから少し散歩して帰ろうかな」
男性の紳士すぎる対応に、思わず涙が出ました。
それからその方は、私たちがホームを去るときも、しばらく手を振って見送ってくださいました。
東京という慣れない土地で、一番困った時に助けてくださったのは両親でも夫でもなく、見ず知らずの優しい男性でした。おかげで兄の結婚式にも無事に参加できました。
本当に感謝しています。ありがとうございました。
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
怖くて電車が降りられなくなってしまったSさんの娘を抱えて、自分も電車を降りてくれた男性。この人がいなければ、ドアが閉まった電車の中で、娘さんはもっと怖い思いをしたに違いない。
皆さんも、旅行先で素敵な出来事や人に巡り合ったことはあるだろうか。
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