有効にしたCookieは「食べて削除」 ユーモアあふれるクッキー型に反響
ネットサーフィンしているとポップアップが出て、「Cookie(クッキー)」の利用について、同意を求められることがある。
Cookieとは、ウェブサイトを閲覧した人の情報を一時的に保存する仕組み。例えば、通販サイトで買い物するとき、Cookieを有効にしていれば毎回ログインIDを入力しなくても良かったり、これまでにどんな買い物をしたのかの履歴がサイト上に残ったりするというものだ。
この「Cookie」に関するポップアップから着想を得て誕生したあるアイテムが、2021年9月、ツイッターで注目を集めている。
「Cookieを有効にする」という文字と、波線の縁が書かれた白い板。文字の左側には、枠だけの四角......チェックボックスもついている。
板の下に敷かれているのは、薄黄色の生地。実はこれ、「Cookieのポップアップのような形のクッキー」が作れる、クッキー型なのだ。
京都市中京区の商品企画会社「企画デザイン2時」が23日、公式ツイッターアカウントに投稿したこちらの型には24日夕時点で9万6000件以上のいいねが集まるほか、
「かわいい」
「Cookieは食用です」
「クッキーは(人間の心の健康に)有効です!」
「食べて削除しなきゃ...」
といった声が寄せられるなど、話題になっている。Jタウンネット記者は23日、同社に話を聞いた。
「実はcookieがどういうものかよく知らなくて...」
同社代表の楢﨑友里さんによると、投稿の写真のクッキー型は9月上旬、京都にあるレンタルスペースの工房で制作したものだ。
「3Dプリンターを使っての物づくりを練習していて、その一環でクッキー型を作ろうと思いました。
それで、どんなデザインにしようかと考えていた時、ふと『Cookie』のポップアップが思い浮かびました。私はCookieというものがどういうものかよく知らなかったのですが、なんとなくそのポップアップが印象に残っていて、『これをクッキー型にしたら面白いのでは?』と思ったんです」(楢﨑さん)
まず3Dソフトを使って立体デザインを形成したのち、3Dプリンターで出力して作った。その型を使って焼き上げたクッキーが、こちら。
楢﨑さんにとっては、クッキー型よりもクッキー生地を作る方が難しかったそうで、「実は、投稿写真のものは一度生地を作り直した2回目のものなんです。それでも作っている際は楽しかったし、クッキーも美味しかったのでよかったです」。
その後、型に改良を加え、22日に外部に依頼して製品版を制作。試作品との違いは、天面にあるテキストを消して、代わりに生地に押し付けやすいように持ち手を取り付けている点だ。
製品版は、クッキー型専門のオンライン販売サイト「SACSAC」上で、1210円(税込み)で販売されている。
今回、ツイッターで大きな反響があったことについて、楢﨑さんは、
「嬉しいですし、やっぱりみんな私と同じように、心のどこかで『cookie』のことが気になっていたんだなと思いました」
とコメントしている。