にゃんこたちのクールスポット? コロナ禍で休止された手水舎、最高の形で「有効活用」される
休止している手水舎を「別の目的」で使用しているものたちがいる──。
こんなコメントと共に投稿された、ある神社の境内の写真がツイッター上で話題になっている。
手水舎でする事というと、名前の通りお参りの前に水で手を清める事くらい。休止しているとなれば、できることはなさそうだが......一体、誰が何をしているのだろう。
実際の現場の写真が、こちらだ。
休止中のために水が流れておらず、石造りの水盤の中身も空っぽ。その中からひょっこりと顔を出しているのは、黒猫とキジトラの猫。そう、「別の目的」でここを使っていたのは、彼らだったのだ。
手水舎の屋根で日陰になっている上、石の水盤がひんやりと冷たいのか、まるでお風呂にでも入っているかのようにすっぽりと中に納まっている。ここが彼らにとってのベストポジション、なのだろうか。
こちらの写真に対し、ツイッター上では、
「暑いから石がひんやりして気持ちいいんでしょうね」
「撫でるとご利益がありそうですね」
「さすがはネコさま、涼しい場所を知っている」
「龍神様が、『ええんやで』とニッコリしてるはず!」
といった声が寄せられている。
話題になっているのは、滋賀県高島市にある阿志都弥(あしづみ)神社・行過(ゆきすぎ)天満宮の公式アカウントが2021年8月4日に投稿した写真。Jタウンネット編集部は6日、同神社を取材した。
好きなのは、人が居る場所
話を聞かせてくれたのは、同神社の宮司の娘、田谷佳子さん。話題の写真は3日の朝に境内の手水舎で撮影したものだ。
中に入っている二匹は、神社のすぐそばにある田谷さん宅で飼っている猫で、黒猫の方が「コミケ」、キジトラの方が「コケイヤン」という名前。どちらも1歳と2か月ほどのオスだという。
「コロナ禍の影響で、1年ともう少しくらい前から手水舎を休止しています。水も完全に止めているので、中身は空です。そうしたら、今年の7月くらいから、こうして猫たちが入るようになりました」(田谷さん)
どうしてこんな所に入ろうとしたのだろうか。その理由について、改めて田谷さんに聞いてみると、
「自宅のすぐそばがもう境内なので、猫たちは自由に出入りしていますが、境内の中でも人がいないところにはほとんど行きません。境内で誰かが作業をしていたりすると、よくその近くで様子を見守っています。
この日も、神社の者が手水舎の近くで草むしりをしていたので、どこか近くの涼しい場所でそれを見守ろうと、こんな風に中に入ったんだと思います」
と述べた。
「いつもみたいに近くにいるんだろうな、と思って見回してみたらいなくて、『どこ行ったんだ?』と探したらここにいたので、こんな所に入ってたのかとちょっと驚きました」(田谷さん)
ツイッターでの反響について、田谷さんは、
「こちらとしては何気ない日常の様子を投稿しただけのつもりだったのですが、まさかここまでウケるとは思わず、状況を把握するのに戸惑っています。ただ、話題になること自体はすごく嬉しいです」
とコメント。また、リプライ欄で「水を欲しがっているのでは?」「水を出してあげて」という指摘があることについては、
「この手水舎のすぐ目の前に自宅や社務所があり、彼ら自身ですぐに水を飲みに戻れるようになっています」
と説明。水が飲めないなどと言ったことはないので安心してほしい、とのことだった。