これが「沖縄の離島」で暮らすということか... 窓を開けて出かけたら、部屋で「絶滅危惧種」がくつろいでいた
「これが沖縄の離島暮らしの現実」
こんなコメントとともに、1枚の家の中の写真が投稿され、ツイッターで話題になっている。
換気するために窓を開けたまま外に出かけ、帰宅すると部屋の中にある生き物が侵入していたという。
野良猫や小さな鳥でも入り込んでいたんだろうか。それとも何かの昆虫?
......正解は、コイツだ。
床置きのテーブルの下にいるのは、見るからに硬そうな茶色の甲殻に、6本の脚と2本の太いハサミ......ヤシガニだ。
ヤシガニはカニと名が付いているがヤドカリの仲間で、主に陸上生活をする大型の甲殻類。日本での生息域である沖縄などではしばしば人前に現れるようだが......さすがに部屋にいきなりヤシガニがいたらびっくりするに違いない。
こちらの写真に対し、ツイッター上では、
「こんなん部屋に鎮座してたら腰抜かすわw」
「かなりでかいな、こんなのが家に帰っていきなりいたら自分ならフライパンで外に放り出すかも」
「『あっ、どうも~!お邪魔してますぅ』みたいな顔してるなぁ」
「網戸くらいなら余裕で突き破ってきそうですね...」
といった声が寄せられている。
話題になっているのは、沖縄県在住のツイッターユーザーのひろひろ(@HirohiroUno)さんが2021年7月28日に投稿した画像。Jタウンネット記者は31日、本人に話を聞いた。
「絶滅危惧種なので食べないで」
ひろひろさんは、西表島でカヌーやトレッキングなどのツアー事業を手掛ける「西表島カヌーツアー 風車」(沖縄県竹富町)でガイドの仕事をしている。自身も西表島に住んでおり、話題の写真も島の自宅で撮影したものだ。
「発見したのは21時ごろでした。
ベランダの扉を開けたまま散歩に行き、日没後に帰宅して電気をつけようとしたらヤシガニが足に触れていました。びっくりして叫んでしまいました」(ひろひろさん)
その後、テレビで見たいバレーの試合があったひろひろさんは、試合が終わるまでの1時間ほど、部屋の隅っこで大人しくしていたヤシガニを放置。22時頃になって、トングを使って部屋から出した。
「大自然の中で勝手に家を建てて住んでいるだけなので、窓が開いてたらそりゃ入ってくるよなーくらいの気持ちです。
食べ終わった弁当箱の匂いに釣られて来たんだと思います」(ひろひろさん)
なお、ひろひろさんはツイッターに、ヤシガニを外に出した際の様子を撮影した動画も投稿している。
ツイッターでの反響について、ひろひろさんは、
「ちょっとした日常をツイートしただけの気持ちだったので反響の大きさにびっくりしています。やはり日本であって日本とはかけ離れているんだなーと感じました」
とコメント。
ただ、投稿に対して「食べないんですか?」や「美味しいんだよな」と言った、食料としてヤシガニを見ている人が多くいたことは不安だといい、
「ヤシガニは絶滅危惧種なので食べないようにして欲しい」
と注意喚起している。
ヤシガニは、食用目的の捕獲などにより個体数が減少し、保護のための条例を設ける自治体もある。また、20年には国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧II類に認定された。
皆さんも、もし沖縄に行った時にヤシガニを見つけたら、そっとしておいてあげよう。