高円寺駅で「きっぷの芯お配りしてます!」 使い方は無限大?駅事務室では「ファーム」になっていた
「きっぷの芯、お配りしてます!」
JR高円寺駅(東京都杉並区)に掲示されたそんなポスターが、ツイッターで話題となっている。
これが実際のポスター。2021年7月1日、あるツイッターユーザーが投稿し、注目を集めた。
Jタウンネット記者の取材に応じた投稿者によると、同日JR高円寺駅改札外の有人改札隣にある券売機横で撮影したものだ。
ポスターを見ると、中央部に短い筒状のものが映っている。これがきっぷの芯だ。
見た目はガムテープの芯と似ているが、きっぷの芯は通常なかなか手に入らないレアなもの。
鉄道好きだという投稿者も
「改札外側と改札内側双方に人が並び有人改札が混みあっていたため(写真撮影時は)いただきませんでしたが、機会があれば是非ともいただきにお伺いしたいと思っています」
とコメントしていた。他にも欲しいという人は多いことだろう。
だが、もらったとして、どう使えばいいのだろう......?
ポスターには具体的な「活用例」も記載されている。
プランターや消毒液タワーに
紹介されている活用方法、まず1つ目はプランター。
手書きで「高円寺ファーム」と書かれ、中には銀紙のようなものが敷かれたきっぷの芯の中で、何か植物が育てられている。
そして2つ目は「『とれたんず』のおうち」。
「とれたんず」とはJR東日本の車両をモチーフにしたキャラクターだ。きっぷの芯に、とれたんずたちが1両ずつ収まっている。
最後は「消毒液タワー」。
きっぷの芯をたくさん積み重ねたであろうタワーの上に消毒液が設置されている。
どれもきっぷの芯をしっかり活用(?)できてはいるものの、全体的にシュールすぎてなかなか参考にするのは難しそうだ......。
このポスターに対し、ツイッターでは
「これは面白過ぎるw」
「切符コレクターとしてこれは欲しい」
「『とれたんずのおうち』ってめちゃくちゃ限定された活用例で草」
「消毒液タワーが1番意味わからん」
「こういう使い方も出来るのですね...なるほど」
とさまざまな反応が寄せられている。
Jタウンネット記者はこのポスターときっぷの芯の配布について、JR東日本東京支社の広報を通じ、高円寺駅を取材した。
駅でも普段から芯を活用
高円寺駅によれば、きっぷの芯の配布を開始したのは2021年6月30日。
「きっぷの芯は普段駅で活用していますが、他駅にて地域の皆さまとともに活用している事例があり、高円寺駅でも更なる活用方法を模索しておりました。
駅にいらっしゃるお客さまに配布し、活用していただけたらという考えに至り、今回の配布へとつながりました」
とその経緯を説明する。
きっぷの芯は頑丈なため、なにかに活用できないかと試行錯誤していたものの、駅での活用には限界があり、配布を決定したそうだ。
なお、きっぷの芯の配布は20年にJR巣鴨駅でも行われており、Jタウンネットでも取り上げている(「巣鴨駅でゲットできる『きっぷの芯』って何? 配布の理由とあわせて、JRに聞いてみた」)。
今回の高円寺駅での配布も、その巣鴨駅での取り組みを参考にしている、とのことだった。
ではこのきっぷの芯に、どれぐらいの需要があるのだろう。
駅に尋ねると、
「7月6日時点で20名程度にお渡ししています」
との回答が。また、ポスターや配布に対する利用者の反響については
「お客さまの反応は、SNSを見て来たという方が多く、ポスターに載せた活用例の『とれたんず』のおうちや消毒液タワーはどこにあるかという問い合わせもあり、設置場所のみどりの窓口へご案内したりもしました」
と語った。
ポスター内で紹介されていた活用例は、実際に高円寺駅で実施されているものだったのか......。その事実に驚いてしまう。
「『とれたんず』のおうち」と「消毒液タワー」は、当面の間はみどりの窓口内に設置し続ける予定だそうだ。
なお、「プランター」は駅の事務室内で育てているもののため、残念ながら一般の利用者が見ることは出来ない。
今回、きっぷの芯の配布とそのポスターがツイッター上で話題となったことについて、高円寺駅は
「正直需要なんてないと思っていたので、驚きです。
結果的に注目していただけたのなら何よりです。
こういったものでも、アイデア次第では活用ができるということを実感しました。
我々が普段捨てていたきっぷの芯は、一部の方にとっては宝だというようなSNSの投稿も見ました。
また、SNSで話題になったことによって、現在高円寺駅で取組んでいる他の活動にも注目していただけたのを見ました。とてもありがたいことです。
他にも、ポスター等含め駅独自のものがありますので、是非高円寺駅にいらしていただければと思います」
とコメントしている。