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元祖ミシュラン一つ星ラーメン店は、カップ麺でもミシュラン級? セブン「蔦」再現麺の実力は...

オサーン

オサーン

2021.07.04 11:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第五十九回 セブンプレミアム「蔦 醤油ラーメン」 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第五十九回目となる今回は、セブンプレミアムの名店再現系カップ麺、「蔦 醤油ラーメン」を食べていきます。

セブンプレミアム「蔦 醤油ラーメン」
セブンプレミアム「蔦 醤油ラーメン」

「蔦」はラーメン店初のミシュラン一つ星獲得店

「Japanese Soba Noodles 蔦」は、東京・代々木上原にある人気ラーメン店。

2015年にミシュランガイド東京でビブグルマン(「星」の評価からは外れるものの、安くてオススメの店のこと)、16年から19年まで4年連続で一つ星を獲得。史上初の一つ星を獲得したラーメン店として話題になりました。

お店のメニューは基本の醤油ラーメンと塩ラーメンが1200円。

「蔦」の名物となっている、フレンチと見紛う「名物特製トッピング」は1000円で、ラーメンと合わせると2000円超え。

ぶっ飛んだ価格設定ですが、高級食材をふんだんに使うことで、ラーメンの枠を超えた支持を集めています。

「蔦」は史上初のミシュランガイド一つ星獲得ラーメン店
「蔦」は史上初のミシュランガイド一つ星獲得ラーメン店

まるでフランス料理のようなメニューに加え、お店の内装もフランスの高級ブランドである「イヴ・サンローラン」を意識しているとのこと。行列、価格、雰囲気と、普通のラーメン店に比べるとずいぶんと敷居が高いですが、カップ麺でその雰囲気を味わえるのはありがたいですよね。

セブンプレミアム「蔦 醤油ラーメン」の内容物を確認

別添袋は4つ
別添袋は4つ

別添袋は、液体スープ、特製油、かやく、かやく調理品の4袋。

かやく調理品としてレトルトのメンマが入っており、具の中では特にメンマにコストを割いているようです。お店だとトリュフや青森シャモロックという鶏の卵を使った味玉が特徴的ですが、メンマも穂先メンマが用いられてこだわっています。

麺は「正麺カップ」と同じ形状
麺は「正麺カップ」と同じ形状

先入れのかやくを麺の上に開けた状態。チャーシューとねぎが入っていますが、定価税込278円という高額な価格設定を考えれば、チャーシューの大きさはちょっと物足りない印象。脂が多いバラ肉のような肉です。

麺はノンフライ麺が用いられていますが、見た目は「正麺カップ」で使われているものと同じものに見えます。

黒トリュフやポルチーニ茸が香る

セブンプレミアム「蔦 醤油ラーメン」完成
セブンプレミアム「蔦 醤油ラーメン」完成

スープは、鶏ガラベースの醤油味で、ほんのりと魚介の風味を効かせています。

醤油の色が濃いので塩気が強いのかと思いきや、思いのほか穏やかなやさしい味で、だしの味やオイルの風味を引き立てていました。

ちょっとほろ苦さのある魚介だしの存在も感じられます。スープの中心としてガツンとくるような魚介ではなく、ほんのり香らせる程度で、さりげなさが心憎く感じるレベル。スープの重層的な味わいに一役買っています。

黒トリュフやポルチーニ茸の風味がついた油脂
黒トリュフやポルチーニ茸の風味がついた油脂

スープ表面には、鶏油などを主体とする油脂が浮いていますが、お店の特徴である黒トリュフの香りがつけられていて、これがスープの中で最も目立った存在となっています。他の味を立てつつも、黒トリュフが香ることで、高級感、良いもの食べている感が半端ないです。

また、ほのかにポルチーニ茸の香りもつけられており、黒トリュフや貝だしと共鳴して洋風な雰囲気を醸し出していました。黒トリュフもポルチーニも、決してやりすぎていないところが大きなポイントです。

具の中でもメンマは別格!

つるみと弾力がある中太ノンフライ麺
つるみと弾力がある中太ノンフライ麺

麺は、中太でストレート形状のノンフライ麺。麺表面のつるみと弾力の強さが特徴の多加水麺食感で、お店のもちもちした麺を再現しています。太さはお店と同程度でしょうか。

ただ、お店の麺を再現したというよりは、東洋水産の主力カップ麺シリーズのひとつである「正麺カップ」の麺と共通している部分が多く、「蔦」を再現するために作られた麺というわけではなさそう。

麺の弾力はこんにゃくを練り込むことでつけられています。

チャーシュー、ねぎ、レトルトメンマの組み合わせ
チャーシュー、ねぎ、レトルトメンマの組み合わせ

具として入っているのは、乾燥具のチャーシューとねぎ、そしてレトルトのメンマです。大きさは少々物足りないチャーシューですが、バラ肉のような脂分もあって、ジューシーで肉感がありました。

メンマはレトルトで、シャキシャキして食べ応えがありました。お店の穂先メンマの食感とはだいぶ違いましたが、メンマだけ別格扱いで並々ならぬこだわりを感じます。

コンビニの名店再現系カップ麺競争

鶏ガラに魚介、黒トリュフ、ボルチーニ茸が香り、高級感溢れる重層的な味わいが特徴の一杯でしたが、それでいてやりすぎておらず嫌味になっていないところが大きな美徳だと思います。

セブン-イレブンでは、名店再現系カップ麺の元祖である「すみれ」、「一風堂」、「山頭火」に加え、大人気の「蒙古タンメン中本」、「とみ田」、さらにはミシュラン一つ星の「鳴龍」や今回の「蔦」など、名店の味を再現したカップ麺が綺羅星の如く発売されています。

一方で、ローソンやファミリーマートもカップ麺で名店の味を限定発売しており、コンビニ間の名店再現系カップ麺競争が激化しています。特にローソンは「吉村家」、「麺屋一燈」、「六厘舎」など、セブンに負けないラインナップを誇ります。まだコンビニ色に染まっていないラーメン店が、将来果たしてどのコンビニ陣営につくのか考えるのも面白いかもしれません。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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