「家族からは変態だと思われています」 高校生が部屋いっぱいの「レトロ扇風機」を集めた理由
「記憶にない頃から回るものが好きでした」
現役高校生の収集家さんが扇風機をコレクションし始めたのは、小学3年生の頃だった。
「私は記憶にない頃から回るものが好きでしたが、どう集めればいいかが分からず諦めていました」
「(収集のきっかけは)小学3年生の時に曽祖父から東芝扇風機H-30AQをもらって、同時期にヤフオクを始めたことでした」(収集家さん)
小学3年生のひ孫へのプレゼントとして、扇風機はどうなのだろう......。
もしかしたら、「回るもの」が好きという収集家さんのことを思ってのチョイスだったのかもしれない。
それからしばらくの間、扇風機集めを中断していた収集家さん。再開したきっかけは、ツイッターだった。
同じ趣味の人と繋がれたことで改めて扇風機の魅力に気付き、また集めたくなったのだそう。
一体、扇風機の何がここまで収集家さんの心を惹きつけるのだろうか。
「まず『羽根が回る』ということが1番の魅力ですね。先ほども書いた通り生まれて記憶に残る前からとても好きだったのでこれが一番の魅力です。
あとは古い扇風機の角張っているデザイン、カラーのついた羽根やスイッチ類の操作したときの音や感じがたまらなく好きです」(収集家さん)
扇風機に対し、まっすぐな情熱を注ぎ続ける収集家さんを、家族はどう思っているのだろう。本人に聞くと、
「家族からは変態だと思われています。
まず、自分の持っている機種ならスイッチの音や羽根、前についているガードを目隠しして触ったり聞いたりするだけでなんの機種かわかります。
また集め始めて7年になりますが、難しい修理をして回らなかった物を復活させたりしているので変態だと思われていると思います」
と、収集家さんからは切ない回答が。修理や「利き扇風機」ができるのは、ものすごい能力だと思うのだが......いつかどこかで役に立つはず。
いま集めている扇風機たちは、すべて観賞用なのだろうか。
「ほとんどが観賞用です。しかしたまに普段使うこともあります。
その為に必ず1ヶ月に一度はモーターやコンデンサという部品をテスターなどで点検しています。
上の写真はサンヨーのEF-6DAという機種で何度か発火の事例がある機種で、実用で使っていたところ発火寸前になりました。しかしコンデンサという部品を交換して小学6年生の時に復活させました」
小3からコレクションを始め、わずか3年で、なんと自力で部品を交換できるまでに成長したのである。現在、高校生である収集家さんが、これからどこまで進化していくのか楽しみだ。