「旅行初日に愛犬が病気を発症。事情を知ったホテルスタッフの行動に、思わず涙が...」(都道府県・年齢性別不明)
「大変なご旅行になってしまいましたが...」
2012年11月、夫婦二人とワンちゃん一匹で沖縄旅行に行ったWさん。
楽しい旅行になるはずが、到着した日の夜に滞在先のホテルで愛犬が病気を発症してしまった。幸い命にかかわる病気ではなかったものの、滞在中は安静の上、毎日動物病院へ通わなくてはならず、予定していたドライブや観光はできなくなってしまったという。
グッタリした愛犬を抱いてホテルへ戻ったWさん。
すると、エントランスの外に三線を抱えたスタッフが。
ホテルに到着した宿泊客を三線の音でお迎えしたくて、でもそんなに上手じゃないので希望してくれたお客さんにだけ演奏をしている、とのことだった。
αさんはそのスタッフさんに愛犬の事情を話して、
「空港に到着してすぐに行った首里城しか観光できていないので、ぜひ聴かせて下さい」
とお願いしてみたという。
「『それじゃあ沖縄らしい楽しい曲を!』と言って最初に弾いてくれたのは『オジー自慢のオリオンビール』。踊り出したくなるような、明るくって楽しいノリノリの曲です。
二曲目は『涙そうそう』。エントランスに吹くあたたかい風と夕暮れの空、やさしい三線の音色。
ベンチに座り、わんこを膝に抱いて聴いていたら、後悔や不安でガチガチだった心がふっと軽くなり、涙が流れてしまいました」(Wさん)
その後、Wさんの愛犬は順調に回復し、予定通りの飛行機で帰れることに。
出発の日、Wさんがフロントでチェックアウトの手続きをしていると、三線を弾いてくれたスタッフが駆けつけ、
「ワンちゃんが病気で大変なご旅行になってしまいましたが、沖縄の思い出に加えて下さい」
と、琉球ガラスのペアグラスをプレゼントしてくれた。予想もしていなかった心遣いに、Wさんはここでもまた思わず涙が出てしまったそうだ。
せっかくの沖縄旅行なのにどこにも観光に行けなかったWさん夫妻に、せめてもの思い出作りをしてもらおうと心を尽くしてくれたホテルスタッフ。
エントランスで聞いた三味線の音と琉球ガラスのペアグラスは、きっとWさん夫妻にとって何よりの思い出になったことだろう。
「『絶対にまた来ます!』と約束したものの、わんこを置いての旅行はなかなかできず未だ行けていないのですが...。
コロナ禍が収束し、今年17歳になるわんこの虹の橋への旅立ちを見送ったら、必ず行きたい場所のひとつです」(Wさん)
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
コロナ禍で旅行に行きづらい今、せめて過去の旅行の素敵な思い出を振り返りたいという人も多いだろう。
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