町田は「must be Kanagawa」、熱海は「should be Kanagawa」...? 「神奈川と学ぶ英文法」に火種しかない
2021年5月19日にツイートされた、こんな画像がいま話題となっている。
「可能性・推量を表す助動詞」という見出しが付けられている図だ。
どうやら英語のお勉強のようだ。ツイートには「神奈川と学ぶ英文法」というコメントが添えられている。しかしよく見ると、町田市の例文はこうなっている。
It must be Kanagawa.
(神奈川に違いない)
町田市(東京都)の所属については、ネット上ではたびたびネタとなっているが、「must」はこのように使うものなのだろうか。町田市民を中心に、激論が起きてしまうかもしれない。
他にも、熱海市(静岡県)を取り上げた例文「It should be Kanagawa.」(神奈川のはずだ)、多摩地域(東京都)を取り上げた例文「It can be Kanagawa.」(神奈川ということはあり得る)などといったものもあり、クスリと笑わせてくれるのだが、熱海市民や多摩地域住人にとっては、笑っていられないかもしれない。
あくまでも英文法の例文......の形をとったジョークなので、大目に見ていただきたい。
中には、青森県横浜町が登場している。下北半島の陸奥湾に面し、ナマコや養殖ホタテで知られる横浜町には、「It may be Kanagawa.」(神奈川かもしれない)という例文が付けられている。こちらは無条件に笑ってもらえる爆笑ネタでは?
この「可能性・推量を表す助動詞」のツイートには、1万9000件を超える「いいね」が付けられ、いまも拡散中だ(5月21日夕現在)。
Jタウンネット記者は、投稿者の@Kanagawa_uniqueさんに詳しい話を聞いた。
神奈川愛は深まったが......?
実は、この画像の元ネタは、「こあたん こあらの学校」(@KoalaEnglish180)さんの次のようなツイートだった。
「こあたん こあらの学校」さんの元ネタは、2019年6月に投稿された、コアラをモチーフに使った助動詞の表で、なんと22万8000件の「いいね」を獲得していた。
このツイートにインスパイアされたのが、@Kanagawa_uniqueさんのツイートというわけだ。
今回のツイートのきっかけを聞いてみると......、
「神奈川県周辺が町田をはじめ多くの地域において、ネット上で『○○は神奈川』というようなジョークが交わされ、また実際に文化圏・経済圏が神奈川であったりすることから考えました。
そしてツイッターで英文法の可能性の助動詞の用法についての画像を見て、『○○は神奈川』というネタと結び付きました」(@Kanagawa_uniqueさん)
作成しながら、どんな感想を持ったのだろう?
「画像を作成するにあたって、いろいろとネット上を調べ、改めて県境と文化圏・経済圏の分かれ目は一致しないのだなと思い、地理への興味関心が一層高まりました。
実際に町田市は神奈中バスが走っていたり、道志村は横浜市が水源地として土地を購入したりと密接に神奈川と関わり合っている地域が多く、非常に地理的に興味深かったです。
苦心した点は、可能性の高い順に並べるということで、地域の『神奈川らしさ』の順位付けが難しく、何回か試行錯誤しました」(@Kanagawa_uniqueさん)
ツイッター上の反応の中で、印象だったものは?
「町田市民の『町田は神奈川じゃない』という東京プライドの溢れたリプや、ツイートで挙げた地域以外にもここは神奈川じゃないか、という意見が多く、色々な地域の人の意見が聞けて面白かったです」(@Kanagawa_uniqueさん)
ちなみにツイッターには、こんな声が寄せられている。
「多摩地域に町田が入ってないやん!! 町田を見たかったから多摩地域を見たの!!」
「熱海と伊豆が神奈川? 確かに沼津こえて富士市まで神奈川のテレビ放送流れてるけど、洗脳しようとしても無駄です!」
「沼津は神奈川西部だよ。誰がなんと言おうと」
「陸奥横浜」
「大神奈川形成しそう」
「神奈川といえば、横浜、鎌倉、湘南、箱根というように、ステレオタイプ化した神奈川へのイメージをさらに深めていきたいと考えています」と語る投稿者の神奈川愛は、よく分かったのだが、はたして英文法に強くなれたかどうか、助動詞の使い方をマスターできたかどうかは、やや不明だ。
元ネタの投稿者「こあたん こあらの学校」(@KoalaEnglish180)さんにも確認してみた。
「神奈川様の投稿は、正直私はあまり理解できていません(笑)。ちなみに『可能性・推量を表す助動詞』で検索してもらうと他のパロディが大量に出てくるので見てみてください!(笑)」
純粋に英語を勉強しようとする人は、元ネタの方をフォローした方が良さそうだ。