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関西でお馴染み「ポールウインナー」 コロナ禍の影響で、他エリアでも認知度がアップしていた?

Jタウン研究所

Jタウン研究所

2021.05.21 06:00
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食品加工メーカーの伊藤ハム(兵庫県西宮市)が販売している、「ポールウインナー」というソーセージをご存じだろうか?

関東在住の筆者は名前も知らなかったのだが、関西ではお馴染みで、かつて近畿エリアの学校給食にも採用されていたほど。

なんと1934年から販売されているロングセラー商品だそうだ。

画像は伊藤ハム米久ホールディングス提供
画像は伊藤ハム米久ホールディングス提供

59年には関東にも本格進出しているが、認知度には大きな差があるようで、ツイッター上では、

「関東人の知らない食べ物といえば高級おやつポールウインナーだろ」
「ポールウインナー知らない...!調べたら関西メインなんですね」
「関西に来てから学んだこと。関東にはほとんど売ってないポールウインナーがどこにでもある」

といった声が挙がっている。

Jタウンネット編集部が2019年12月23日、伊藤ハムの親会社・伊藤ハム米久ホールディングスの広報担当者を取材したところ、

(1)畜肉ソーセージ文化と魚肉ソーセージ文化の違い
(2)価格差

という2点を東西の差が出たことの理由として挙げた。

すでに普及しているライバル商品の存在と、馴染みのない人が手を伸ばしてみるには少し高めな価格設定が、ポールウインナーの関東での知名度の低さにつながっているようだ。(詳しくは2019年12月26日付けのJタウンネット記事「関東人は『ポールウインナー』を知らないらしい 関西では超メジャーなのに...いったいなぜ?」を参照)

では、全国にはポールウインナーを知っている人、食べたことがある人はそれぞれどれくらいいるのだろう。

Jタウンネットでは、19年12月24日~21年4月5日の期間、「ポールウインナー食べたことある?」というテーマで都道府県別に投票を募った。 投票総数は2908票。果たして、その結果は――。

ほとんどの関西人が「食べたことある」

用意した選択肢は「ある」「食べたことはないが存在は知っていた」「食べたこともないし存在も知らなかった」の3つ。

まず、全体の結果では「ある」が34.1%(991票)、「食べたことはないが存在は知っていた」が3.7%(109票)、「食べたこともないし存在も知らなかった」が62.2%(1808票)で、「食べたこともないし存在も知らなかった」が全体のおよそ6割の票を集める結果となった。

都道府県別の結果を見てみると、47都道府県中、39地域で「食べたこともないし存在も知らなかった」が最も優勢。

そして、関西2府4県と長崎県・宮崎県の8地域のみで「ある」が優勢だった。なお、「食べたことはないが存在は知っていた」が優勢だった地域はなかった。

関西全体では、食べたことある人が87.3%、食べたことはないが知っている人が3.2%、存在を知らない人が9.5%。ほとんどの人がポールウインナーの味を知っていると言ってよさそうだ。

県ごとに見ると、滋賀県(80.0%)・京都府(95.9%)・大阪府(82.4%)・兵庫県(94.5%)・奈良県(87.5%)・和歌山県(85.7%)とすべての地域で8割以上が「食べたことがある」。

関西以外でポールウインナーを食べたことがあったのは、北海道で7.1%、東北で10.8%、関東で22.3%、中部で18.5%、中国で35.9%、四国で36.1%、九州・沖縄で22.2%。

西日本は比較的食べたことがある人の割合が多いが、関西と比べると低水準。長崎・宮崎でもそれぞれ「ある」と答えた人は50.0%と66.7%だった。

ちなみに、「食べたことはないが存在は知っていた」は北海道で2.4%、東北で4.6%、関東で3.6%、中部で3.2%、中国で8.5%、四国で5.6%、九州で7.8%と、少ししかいない。

知らない人にはとことん知られていないが、知っている人はほとんどが食べたこともあるソーセージだということだろう。

ところで、19年に伊藤ハム米久ホールディングスの広報担当者を取材した時点では、ポールウインナーの売り上げの93%が関西だった。あれから、売り上げに変化はあったのだろうか。

Jタウンネット記者は21年5月19日、同社広報部を再取材。

すると、新型コロナウイルスの影響でポールウインナーの知名度にもある変化が起こっていることが分かった。

関東での売り上げがアップしていた!

画像は伊藤ハム米久ホールディングス提供
画像は伊藤ハム米久ホールディングス提供

取材に応じた同社マーケティング部家庭用企画室担当課長の犬伏亜希子さんは、

「直近の販売ベースでは、近畿2府4県で全国販売金額の約89%の構成比となっています。
要因としては、他エリアでもコロナ禍の影響で通常の10本入りが堅調に推移したことに加え、ミニサイズの3本入りの展開がCVS(コンビニエンスストア)を中心に全国へ拡がっていることがあげられます(弊社実績より算出、期間:2020年4月~2021年3月)」

と説明。「コロナ禍の影響で全国的に外食をする人が減り内食需要が増えたことが、売上が増えた要因ではないか」と推測しているという。

また、関東圏での売り上げ推移については、

「2020年度の販売実績としましては、前年比約130%超と好調に推移しています。主に10本入りの売上増が顕著で、ミニサイズも上乗せされて大幅伸長となりました。全国ベース(金額)でみても、前年を超え好調に推移しております」

とのこと。まだまだ関西での売り上げがほとんどを占めているが、関東でもかなり売り上げが伸びてきているようだ。

実際に、伊藤ハム公式サイト上で公開されている、全国を対象としたポールウインナーの目撃情報を集めた「ポールウインナーみーつけた!」では、2021年5月20日に、

「店名:ダイエー 港北みなも店(神奈川県横浜市)
ヒトコト:関東ではめったにないので、見つけたときはびっくりしました。小学生の息子がよく食べるので、まとめて買ってます」

という新着情報が投稿されている。

関東にお住いの皆さんも、スーパーに立ち寄った時はぜひ探してみてはいかがだろうか? 関東での売上がもっと上がれば、いずれはどこででも手軽に入手できるようになるかもしれない。

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