一体どんな関係が...? 兵庫県の製本工場がニンニクを作る理由
[かんさい情報ネットnet.―読売テレビ]2021年4月16日放送の「カラクリ」のコーナーでは、にんにく栽培に挑む兵庫の製本工場を取り上げていました。
製本業大手の「ナカバヤシ」の兵庫工場(兵庫・養父市)は、国立国会図書館や官公庁などからの依頼で「製本」や「本の修理・修復」を行っています。
また、にんにくも生産しています。
製本工場がなぜにんにく?
工場長の小谷英輔さんによると、例えば大学の図書館からの依頼で学生が休みになる1~3月と7~9月は忙しいのですが、それ以外の時期は仕事が少ないのだとか。
近年の出版数の低下やデジタル化により製本依頼は年々減少し、工場稼働率による雇用維持が課題になっているなか、この周期にぴったりはまる事業を探したそうです。
そして、2015年に養父市が「国家戦略特区」となり地域の企業が農業に参入できることになったことから、閑散期の3~7月に収穫・乾燥、9~12月に土づくり・植付けができる「にんにく」にたどり着きました。
青森に追いつけ!追いこせ!
山々に囲まれた養父市は、にんにくトップシェアを誇る青森県と同様、寒冷な気候がにんにく栽培に適しているとのことです。
しかも同社は山を切り開き高低差を活かすことで、「しっかりした辛み・強い香り」「濃厚でマイルドな味わい」と、2種類のにんにくを一度に育てています。これはとても珍しいのだそうです。
マスクが習慣化している今、にんにくのにおいへの抵抗感が軽減されているということで、にんにくの消費量が増えているのだとか。
去年とれたにんにくは飛ぶように売れ、在庫がない状態。25トン入る冷蔵庫の片隅には、一番小さいSSサイズのにんにくが1ケースしか残っていませんでした。
シンプルに素揚げされたナカバヤシのにんにくのお味は「やわらかいフワフワした歯ごたえでおいしい」とのこと。
「製本」と「にんにく」一見不思議な組み合わせですが、おかげで安定した雇用が維持できているようです。
(ライター:まみ)