真っ青なザリガニも、茹でると赤くなるらしい 一体なぜ?鳥羽水族館に聞いた
三重県鳥羽市といえば風光明媚な地として知られる、人気の観光地だ。
伊勢湾フェリー乗り場に隣接して、3階建ての立派な水族館がある。約1200種類の、海や川の生物が飼育・展示されている、鳥羽水族館だ。
この水族館に「青いザリガニ」がいると、ツイッターで話題になっている。
ザリガニといえば、筆者は、赤い、または茶色のイメージしかないのだが、「青い」とは......?
Jタウンネット記者が鳥羽水族館に電話で確認してみると、ツイッターでの噂はどうやら本当らしい。上の写真は、鳥羽水族館から提供された画像だ。
ザリガニの色は、まるでペンキで塗ったかのように「真っ青」だ。ツイッターでは、「プラモデルのよう」と表現する人もいる。「いくらなんでも青すぎる」という声も......。
しかも、「この青いザリガニを茹でたら、赤くなる」というつぶやきもある。
本当だろうか。Jタウンネット記者は鳥羽水族館に取材した。
茹でると赤くなるのか?
鳥羽水族館の広報担当者は、飼育研究員に確認の上、次のように答えた。
「本種は『マロン』という種類の青色個体です」
マロン、Marron、という名称だという。展示水槽横の説明板にはこう書かれている。
「マロンは、オーストラリア南西部に生息するザリガニです。淡水に棲むザリガニの中で3番目に大きくなる種とされており、体長は最大で30センチを超えます。
体色は茶褐色や黒色で、甲羅がマロニエ(セイヨウトチノキ)の実に似ているところから『マロン』と名付けられたという説があります。
稀に青い個体が現れます。現地では食用のほか観賞用としても養殖されています。」
このマロンは、なぜ青いのだろう?
「元々マロンというザリガニは、褐色または黒い個体が多い。そもそもなぜ『ブルーマロン』と呼ばれる青い個体が生まれたのかは分からない。
現在は、現地で遺伝的に掛け合わせるなどして、青い個体を殖やしているのではないかと思われます」(担当者)
そしてこの真っ青なマロンも、確かに茹でると赤くなるという。なぜか?
「マロンを含め、ザリガニの殻にはアスタキサンチンという赤・橙色の色素成分が含まれているが、普段は、タンパク質と結合しているため赤・橙色を発現していません。
熱を加えることで、アスタキサンチンとタンパク質の結合が分解され、アスタキサンチンの下の色である赤い色が発現します」
鳥羽水族館は、「青いザリガニを茹でてみた」というYouTube動画も公開している
ところで、マロンは美味しいのか? と聞いてみた。「当館職員は食べたことがないので分かりません。現地のオーストラリアでは、食用としても養殖されているようなので、おいしいのかもしれません」という返事だった。
鳥羽水族館からは、ザリガニコーナーには、他にもニホンザリガニやアメリカザリガニが暮らしているので、ご来館の際には足を運んでいただききたい、とのこと。また、春の企画展「にゅるにゅるトゲトゲ生物の謎」も開催中だという(5月9日まで)。