お店の前にバナナが宙づり まるで現代アート?斬新すぎる外観のジュース店が話題に
店の軒先にぶら下がっているものといえば「のれん」が一般的だが、愛知県岡崎市にあるバナナジュース専門店「NEWSTAND WOW」では、一風変わったものがぶら下がっている。
バナナだ。
こちらは、「NEWSTAND WOW」のテイクアウト用の販売カウンター。
壁に小さな四角い穴がぽっかりと開き、その前にひと房のバナナが宙ぶらりんになっている。
同店は2020年7月7日にオープンし、そのユニークな外観で注目を集めた。
ツイッターでは
「おしゃれすぎて倒れる」
「近代美術館の展覧会で見られる美術みたいです」
「見習いたいセンス」
「斬新で面白い 秘密の取引っぽい!」
などの声が寄せられている。
バナナジュース店が、バナナを吊るす。非常にわかりやすいが、なかなか思いつきそうにないアイデアだ。
一体どんな経緯でバナナがぶら下げられることになったのだろう。Jタウンネット編集部は同店を取材した。
「馬にニンジンぶらさげるみたいに...」
取材に答えてくれたのは、同店アートマネージャーの伊尾晴香さん。
早速、なぜバナナを吊るすことになったのか聞くと、
「オープンの前日の夜中か、当日の朝、オーナーからLINEで指示があったんです。
『馬にニンジンぶら下げるみたいに、バナナぶら下げといて』って。
それで急遽吊るすことにしたら、それを見た人が『なにこれ?』って来てくれて」
と教えてくれた。実は、直前まではバナナではなくのれんを一枚吊るす予定だったという。
しかし、実際にやってみると「微妙」だったので、バナナに変更されたそうだ。
毎日オープン前にバナナを吊るし、閉店時にバナナを取り入れている。ロープの結び方も日替わりとのことだ。
吊るされたバナナは「スタッフでおいしくいただいてます」とのこと。
また、完熟したバナナしかない場合は、「フェイクバナナ」が使われることもあるという。熟したバナナはすぐにズルンと剥けてしまうので、納得だ。
また、「闇取引みたいでカッコイイ」と好評な小窓だが、こちらもオープン前に急遽作られた。
予定では販売カウンターがある場所には横長の大きな窓ガラスを入れるはずだったが、オープンに間に合わないことがわかり、コンクリートで埋めて小さな小窓を作ることに。
後に窓ガラスに変更しようとも考えていたが、多くの人から好評を得たため、スタッフの間では「このままで行く?」という話が出ているそう。
小窓の大きさは人ひとりが顔を出せるほどの大きさのようだ。
この窓からは強いバナナのにおいが漂っていて、道を挟んだ向かい側にある公園まで届くこともあるそう。
また、スタッフの体にもそのにおいが染みついており、ラーメン屋に行ったときに「バナナのにおいする」と言われたことがあるそうだ。
店内はバナナだらけ
なぜそんなにも、バナナのにおいがするのか。それは、店の中で商品に使うバナナを大量に熟成させているからだ。
こちらが、店内の様子。
大量のバナナが床いっぱいに広げられている。フィリピンから輸入した高地栽培の糖度の高いバナナで、一度に15キロ×40ケースのバナナが店内に保管されている。
これを風通しのよい状態に保ち、最適なタイミングまで熟成させているそうだ。
ジュースをつくる際には一本一本味見をしてから、使うバナナを決めているという。
そのため、バナナの熟成が間に合わない場合は店が開かない、ということもある。
オープンから間もない7月中旬には、予想以上の人気で熟成が間に合わなくなり、数日の間臨時休業となっていた。
同店は10月5日現在、小窓でのテイクアウトのみでバナナジュース(全4種)を提供している。
11月以降にイートインでの提供を始める計画もあるが、今は店内が熟成中のバナナで埋め尽くされているためスペースがないそうだ。