「実用的なトリックアート」が桑名駅に出現 見方を変えると案内表が立ち上がり...「めっちゃ見やすい」「乗り間違い減る」
近畿日本鉄道(本社・大阪市)、養老鉄道(本社・岐阜県大垣市)、JR東海(本社・名古屋市)が乗り入れる桑名駅(三重県桑名市)の新駅舎が、2020年8月30日にお披露目された。
駅の西側には近畿日本鉄道(以下、近鉄)と養老鉄道の改札が、東側にはJR東海の改札があり、自由通路を渡って行き来できる構造となっている。これまで東西の移動には近くの踏切を渡る必要があったが、自由通路の供用開始により行き来がスムーズになるというわけだ。
これだけでも利用者にとっては嬉しいところだが、ツイッターではもう一つ注目されている点がある。
それがこちら。近鉄線ののりば案内だ。
一見すると立体的なのりば案内。しかし違う場所から見てみると...
床に貼られているのは、斜めに引き延ばされたような案内書きだ。見る角度や距離を変えることで、これが立体的に見えるようになっている。トリックアートのように、目の錯覚「錯視」を利用した案内だ。
ツイッターではこののりば案内が話題となり、
「こんなんあるんや。立体的でめっちゃ見やすい」
「コレなら!乗り間違えも減るね」
「トリックアート大好きで旅先にあると必ず寄るですが、まさか実生活にも役立つモノだったとわ」
といった声が寄せられている。
若手社員の意見をもとに設置
桑名駅では、なぜのりば案内に錯視を活用したのだろうか。Jタウンネットは9月4日、近鉄名古屋支社の担当者に詳しい話を聞いた。
担当者によると、このような案内表示は、京浜急行電鉄(横浜市)が日本の鉄道事業者として初めて取りいれたもの。近鉄社内では「錯視サイン」と呼んでおり、京急で使われているのと同じ呼称だという。
桑名駅で錯視サインを採用した理由を聞くと、
「新しい桑名駅の案内表の設置に当たり、若手社員の意見を募り『近鉄線のりば』が分かるように設置しました」
とのこと。「見やすさ」や「分かりやすさ」を目的としているそうだ。
桑名駅にある錯視サインは近鉄線の改札付近に設置されている2枚のほか、自由通路から養老鉄道に向かう場所にも「養老鉄道線のりば」の案内が2枚設置されているという。また、近鉄では名古屋線阿倉川駅でも錯視サインを採用している。
利用者からの評判は「概ね好評」とのこと。担当者はツイッターで話題になっていることに対して、
「反響が大きくて大変驚いています。今後もお客様の関心をひいて、分かりやすい案内表の設置に努めて参ります」
とコメントしている。