なぜこんな場所に...? JR新宿駅前に現れた謎の鳥、まさかの絶滅危惧種だった
ミゾゴイで間違いない
20年6月22日、Jタウンネット編集部の取材に応じたバードリサーチ事務局によると、写真に映っている鳥はミゾゴイで間違いないとのことだ。
「嘴や首の長さ、足の長さなどの体型から中型のサギの仲間であることがわかり、
褐色であることなど体の色からミゾゴイ属であること、
頭頂部が黒くないことなどからズグロミゾゴイでなくミゾゴイであることがわかるかと思います。
主に夜間に鳴く鳥で、ボォーッボォーッと特徴的な低音で鳴きます」(バードリサーチ事務局)
また、この個体は幼鳥ではなく、成鳥だと考えられるそう。
「幼鳥の場合、頭などの体上面がより暗い色で、頭や翼には細かい黒斑が多くみられます。写真では翼がよく見えませんが、体や頭の色から成鳥と判断しました」(バードリサーチ事務局)
バードリサーチによると、ミゾゴイについては正確な数を数える調査がなされていないため、詳しい数はわからないが、やはり個体数の多い鳥ではないそうだ。
山地の、落葉広葉樹林で観察されることが多く、湿潤な環境を好むという。都内で野生のミゾゴイが見られることは時々あるが、街中に現れることはとても珍しいそう。
特に、新宿駅という大都会のど真ん中で観察された事については、
「ふつうは山地の薄暗いところにいる印象ですので、昼間に都心の人通りの多いところにいるのは特に珍しいと思います」(バードリサーチ事務局)
では、なぜこんな場所にミゾゴイが現れたのだろう。考えられる原因を聞いてみると、
「なんともわかりませんが、渡りの途中や生息地間の移動中に何らかのトラブルにあったことが考えられます」
とのこと。
もし、街でミゾゴイを見かけたらどうすれば良いのだろう。 22日、環境省自然環境局野生生物課に聞いてみると、通常の野生生物を見かけた時と同様、無闇に近づかずにそっとしておくことが望ましい、という答えだった。