小池都知事に歌ってほしい...! 発令直後に誕生したムード歌謡「東京アラート」の完成度がすごい
東京都は2020年6月2日、新型コロナウイルス感染状況の悪化の兆候が見られるとして、都民に警戒を呼び掛ける「東京アラート」を発令した。
そんな中、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。
投稿者は、漫画家の田亀源五郎(@tagagen)さんである。「東京アラート」って、なんかムード歌謡のタイトルっぽいな...と、ふと思った......ことから生まれた詞ということだ。
詞を読むと、いかにも昭和歌謡で、なんとも切ない女心が描かれているように思えるのだが、現在の世相も巧みに織り込まれている。
「しばらく会えなくなるって......距離を置こうと言われたの」
とは、ソーシャルデイスタンスのことだろうか。
「グラスもちゃんと消毒したの」「その気持ちマスクで隠すの」というのも、いかにも現在の日常生活の反映かな。「手洗いを忘れないでね貴方」という決め台詞も泣かせる。そして
「アラート アラート 東京アラート」
という最後のリフレイン。もうこれは昭和歌謡そのものだ、令和だけど......。
田亀源五郎さんの詞に触発されて、曲を作ったのが、プロの作曲家・なかやまらいでん(@nakayamaraiden)さんである。普段は、ゲーム音楽や効果音の仕事をしているという。
いったい、どんな曲になったのだろう。Jタウンネット編集部は、なかやまさんを直撃した。
歌詞を見ながら「これ歌えそうだなぁ」
まずはお聞きいただこう。作詞、田亀源五郎、作曲・演奏、なかやまらいでん、「東京アラート」だ。ごゆっくりどうぞ。
作詞の田亀さんは、ツイートの引用は許可するが、取材はパスさせてほしいとのことだった。Jタウンネット編集部は、作曲したなかやまさんに詳しい話を聞いた。
東京アラートの詞を知った時、どんな印象だったのだろう?
「私は専門学校の講師をしておりまして、ちょうど午前のオンライン授業が終わったタイミングでツイッターを眺めていたら、誰かがお気に入りにしていたらしいこの歌詞が目に入ってきまして、昨今の状況を見事にわかりやすく描写していて、これはすごいなぁと思った次第です」
昨曲された時の様子を教えてください。
「歌詞を見ながら『これ歌えそうだなぁ』と気付きまして、ちょうどお昼時だったのもあって後で気が向いたら遊びで作ってみようと思っていたのですが、思いついたらすぐ形にしないとなんか落ち着かなかったので、30分弱くらいでメロディ作りまして、そこから1時間程度で演奏/動画作成に持って行きました。
曲作りそのものはほとんど苦労はなかったのですが、7、8回演奏リテイクしたので、そこで時間を取られてしまいました。お昼はその後にいただきました」
田亀さんからは、「うわ、すごい! 良い曲&良い演奏ですね」というリプライ(返信)が寄せられている。
ツイッターには、こんな声もあった。
「東京アラートの歌が普通に良い歌で、昔の歌謡曲と言われて聞かされたら信じそう...」
「東京アラートの歌が秀逸すぎて謎の感動。東京の風景でMV作って、都のHPで流してほしい」
「歌うのは、『小池ゆりことカイロス・プリモス』とかでしょうか(笑)」
どうやら「東京アラート」に触発されて、勝手に盛り上がっている昭和な人が多いようだ、令和だけど......。