1本のバナナを削ってアマビエに とある職人が作った「バナナ彫刻」が驚きのクオリティ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で話題になったアマビエ。江戸時代に出現したとされる妖怪で、鳥のような顔と魚のような体が特徴だ。
コロナの終息を願って全国各地でアマビエグッズが誕生しているが、今回紹介するのは一味違う。なんと「バナナ」にアマビエを彫刻したというのだ。
バナナから浮かび上がる真顔のアマビエ様。剥かれた皮が触手のようにのびており、今にも攻撃されそうだ。
これを制作したのは「バナナ彫刻職人」を名乗る山田恵輔さん。山田さんは2020年5月7日に、この写真を、
「バナナでアマビエを彫ってステイホーム乗り切ろう!みたいな事言いたかったけど最終形態みたいなんできた」
とツイッターに投稿。2000件以上のいいねを集め話題となった。たしかにアマビエというよりゲームのラスボスのような風貌だ。
他のユーザーからは、
「三段階に形態変化するやつ」
「皮が足になってて9本足で歩いてきそうです」
「銀魂のエリザベスみたい」
といった声が寄せられている。
しかし「バナナ職人」とはいったい何なのか。そんな職業初めて聞いたという人がほとんどなのではないだろうか。
Jタウンネットは5月25日、制作者の山田さんを取材した。
「削りカスを食べながら彫りました」
山田さんによれば、バナナアマビエはケーキスプーンや爪楊枝を使って彫った。爪楊枝は先端をナイフ状に加工したものも使用しているという。
作品は40分ほどかけて制作。山田さんはアマビエを題材に選んだ理由を、
「バナナアマビエを見て頂く事で、少しでもステイホームのストレスを軽減できればと思いました」
としている。
制作中は「削りカスを食べながら彫りました」とのこと。完成したバナナは撮影後に全て食べている。もちろんアマビエも例外ではなく、「とてもおいしいアマビエでした」と山田さん。制作者に食べられたならバナナアマビエも本望だろう。
「バナナの皮を、撮影時に見えないように裏側から爪楊枝で支える作業に苦労しました」
と撮影の様子を振り返った。
山田さんは2011年2月に副業としてバナナ彫刻家の活動を開始。「あまりに暇だった」という理由から作品を制作し、イラストコミュニケーションサービス「pixiv」に投稿したところ、大きな反響があったことがきっかけだ。
これまでには、人面やピースサインの手、タコの足などをバナナで制作、自身のツイッターやブログで紹介している。
山田さんは今回アマビエが話題になったことについて、
「父が脳腫瘍で闘病中なので、アマビエで本当にコロナが消えてくれればと願っています」
としている。