完全に喧嘩売ってる... 石川の旅館が用意した「自粛警察お疲れ様プラン」が話題に
石川県加賀市にある山代温泉をご存じだろうか。霊峰白山の麓に位置する、1300年の歴史を持つ秘湯である。泉鏡花、与謝野鉄幹、北王路魯山人などの文人たちが好んだとも伝えられている。
この山代温泉の「森の栖(すみか)リゾート&スパ」という旅館が発売した新しいプラン、「自粛警察の皆様お疲れ様です!プラン」がSNSで話題になっている。
いったいどんなプランなのか? 同旅館の公式サイトに記された案内コピーを引用してみよう。
「新型コロナウイルスが蔓延する2020年・日本。
世には、外出自粛要請中にもかかわらず出歩く人々、営業する飲食店が後を絶たず、善良な市民は苦しめられていた。
そんな中、立ち上がった正義の組織『自粛警察』。
自らのコロナウイルスへの感染リスクは厭わず、必殺技『スローストーン』『ハリガミカッター』『テレフォンサンダー』『SNSファイヤー」を駆使し、今日もコロナ禍の中、自粛していない悪人を取り締まる。どれだけコロナ対策をしていようが関係ない!今日営業しなければ倒産してしまい多くの従業員が路頭に迷おうが関係ない!全てはコロナを滅ぼすため!正義のため!!!
がんばれ!自粛警察!!負けるな!自粛警察!!
そんな正義感が溢れ出しすぎている自粛警察の皆様にひとときの安らぎをお届けします」
なんとも大胆な思い切ったコピーではないだろうか。ツイッターには、さまざまな声が寄せられている。
「完全に喧嘩売っててめちゃくちゃ笑ってる」
「なにこの力押しが溢れてる文章」
「自粛警察に対して 最高の皮肉ですね 笑わせていただきました」
「やるな山代温泉w」
Jタウンネット編集部は、この「自粛警察の皆様お疲れ様です!プラン」を発売した「森の栖リゾート&スパ」を取材した。
「医療従事者に休暇をプレゼントしたい」
Jタウンネット編集部の取材に応じてくれたのは、「森の栖リゾート&スパ」の吉田久彦支配人だ。「自粛警察の皆様お疲れ様です!プラン」を企画したきっかけについて、こう説明した。
「ある時、テレビのニュースを観ていましたら、自粛警察の行動が取り上げられていました。先行きが見えない不安の中で、相当にストレスがたまっているんだな、と感じました。旅館としてできることは何かを考え、少しでもリラックスして、リフレッシュして、ストレスを解消してもらおうと、このプランを考えたわけです。
このプランの狙いは、宿泊料の半額を、最前線でコロナと戦う、石川県の「医療従事者の皆様とそのご家族』への宿泊券として、7月に石川県医療労働組合などに寄付させていただくことです。宿泊者ご自身が楽しんでいただけるだけでなく、医療従事者にも楽しい休暇をプレゼントできるのです」
吉田支配人は、新型コロナウイルス拡大の影響で、大型連休期間中に休館するなど、厳しい経営状況が続いたことを打ち明けてくれた。石川県はすでに緊急事態宣言が解除されているが、予約はなかなか入ってない。
週末を中心に集客を期待しているが、まだまだこれからというところだ。
「自粛警察の皆様お疲れ様です!プラン」のお手軽バージョンも用意されているとのこと。宿泊料がかなり割安に設定されているらしい。そろそろ自粛に疲れた皆さん、温泉でリフレッシュして、ストレス解消はいかがだろう。