壁の中から猫の鳴き声→「今助けてやるぞ!」 無事に救出成功も、その後まさかの展開に...
部屋の壁から猫の鳴き声。念のため、穴を開けてみると、まさかの光景が――。
こんな投稿が、ツイッターで話題を呼んでいる。
こちらはツイッターユーザーのよしこさんが2020年4月20日に投稿した写真。部屋の隅にぽっかりと空いた四角形の穴がみえるだろう。
一体どういうことなのか。よしこさんはこの写真とともに、
「朝、出社したら壁の中から子猫の鳴き声がしてた 野良猫が屋根裏に住み着いていたのは気付いていたけど落ちてきちゃったのかなあ」
と呟いている。どうやら、会社の壁の中から子猫の鳴き声が聞こえてきたらしい。続けてこう呟いた。
「壁に穴を開けたら可愛い子がでてきた」
いったい何が起きたのか
なんと壁の中から出てきたのは、真っ白な毛並みを持つ子猫だったのだ。
一体どういうことなのか。Jタウンネットは4月23日、住宅会社を経営している、よしこさんに詳しい話を聞いた。
40代男性だというよしこさん。1週間程前から会社の天井裏から子猫の鳴き声が聞こえていたという。そしてある日の朝、天井ではなく壁から声が。「気のせいかな」と思ったが、
「外に出て確認すると中から鳴き声が聞こえました。中に戻ると外から聞こえる...。『あぁ、落ちやがったな』と思いました」
と話す。
壁をトントンと叩くと「ニャーニャー」と鳴く子猫。よしこさんは壁に耳を近づけて場所を特定。壁紙の下地をカッターで切り、下地のベニア板には電動ドライバーで穴を開けていったという。
奥に子猫がいるため、注意しながら、慎重に...。
穴を並べて、四方5センチほどの正方形にくり抜き、そこから小さなノコギリで穴を広げていこうとしたそうだ。
すると穴の奥から前足を出す子猫。指でツンツンするとヒュッと引っ込める。
「『今助けてやるぞー!』と注意しつつ、急いでノコギリで穴を広げていきました。15センチ弱くらいまで広げて中を見ました。そして手を突っ込んで子猫を救出しました」
天井裏から落ちた猫は、よしこさんの手に。その時の様子をこう振り返る。
「床の上に置くと、ヒョコヒョコとやっと歩いているような感じでした。子供達は『可愛い、可愛い』と抱きかかえて自宅に戻っていきました。子猫の名前はミルクと名付けました」
自宅裏の会社で救出劇を見守っていた、よしこさんの妹や姪、娘もホッと胸をなでおろしたのだった。
一件落着と思いきや...
ミルクちゃんを無事に救出したよしこさんは、その後穴をガムテープで塞いだという。
しかし、である。22日の朝、会社に出社するとドアの鍵を開ける前から「ニャーニャー」と鳴き声が聞こえていたと話す。
「もう嫌な予感しかしませんでした。中に入ると、あの状態ですよ」
「あの状態」とは、どんな状態なのか。よしこさんはツイッターに、その時の様子を動画で投稿している。
なんとビックリ。たくさんの子猫達がガムテープを突き破って出てきたのだ。
「可愛いけれどそれどころじゃなくて、どうしよう、どうしようと。ちょっとだけ動画は撮りましたけど、あの時は内心パニック状態でした。
4匹くらいはいるぞと。もう2匹飼っているし、ウチでは飼えない。こんなに貰い手はいないだろうと。そして頭をフル回転させ、『そうだ親猫に連れて帰ってもらおう』と思いました」
ぞろぞろと穴から出てきた子猫たち。どうして屋根裏に住んでいたのだろうか。よしこさんは、ミヤという猫を1匹飼っていたそうだ。会社の敷地内をウロウロしていた子猫だそうで、同じ親猫なのではないかと推測する。
出てきた子猫は5匹。カゴに毛布を敷いて屋根裏に連れて行ったという。
「15分くらい経って、見に行くと5匹ともカゴからいなくなっていました。親猫が連れて帰ってくれたのだ、良かった、と胸をなでおろしました」
しかし今でも天井裏から時折、子猫の鳴き声が聞こえるそうだ。「可愛いな」と思いながら仕事をしているというよしこさん。今後については、
「親猫をなんとか捕まえて避妊手術を受けさせることを考えています。ですがどうやって捕まえればいいのか...」
と話した。
よしこさんがこうした体験談をツイッターに投稿すると、ダイレクトメッセージで「1匹貰えますか?」といった問い合わせが数件あったという。「親猫に返してしまったんです」と返答しているそうだが、こうした反応について、よしこさんはこう述べた。
「お声がけを頂けることを本当に嬉しく思いました。やっぱりこの世は優しさでできてるなと再確認しましたね」